髙ちゃんリポート
3月に入り温かい日も増え、関東でも春一番が吹きました。
3月3日は「ひな祭り」。ひな祭りは女の子の節句として有名ですが、古来日本では女の子が生まれると雛人形を準備、生まれてきた女の子に災いがかからないように、そして、美しく成長し幸せな人生が送れますように。と、家族の願いをこめてお祝いする習慣として広まったとされています。
<ひな祭りに食べられる食事の由来について>
ひし餅...ひし形のお餅で、下から緑、白、桃色をしています。緑:木の芽、白:雪のような純白、桃:生命を意味します。
蛤のすまし...蛤の貝殻は対になっていて、貝あわせという遊びにも使われています。仲の良い夫婦を意味します。
今月は開成町で開催された「瀬戸屋敷ひな祭り」を紹介致します。会場となる瀬戸屋敷へは小田急線開成町駅下車、開催期間中は会場までシャトルバスが運行します(約15分)。現在はオーナーの意向によりレンタルスペースとして活用されているそうです。
屋敷へ到着すると、梅の花が出迎えてくれます。気候があうと蝋梅も同時期に見られます。
入り口を入り土間にはまず、自身の身長よりも大きな「大つるし雛」が目に入ります。また、展示されるつるし雛は毎年、開成町婦人会の方々の手でひとつひとつ手作りされています。毎年、つるし雛のテーマが違うとのことです。
屋敷中に並ぶひな人形はまさに「圧巻」の一言につきました。瀬戸家は代々金井島村の名手職を努めてきた家柄で、瀬戸家のひな飾りは、江戸時代から瀬戸気に伝えられてきた雛人形や当主の奥様の姉様の雛人形などが揃えて飾る風習になったようです。 どのひな人形も保管状況が良く、また、ひな人形ひとつひとつに個性があり、作り手の思いを考えながらひな人形のひとつひとつを見比べているとあっという間に時間が過ぎてしまっていました。
展示の中には開成町で保存されている約300年前のひな人形「享保雛」にも出会えました。享保雛は江戸時代の享保年間に流行した雛人形です。女雛は五衣、唐衣姿で袴は綿を入れて膨らませた雛人形、男雛は両袖を張った姿で太刀を差しています。
庭では地元の野菜や果物を販売するコーナーもあり開成町の蔵が復活するとの嬉しい情報も聞く事ができました。 今回も日本文化のもつ素晴らしさ、若い世代へ伝承していく事の大切さを改めて実感致しました。
~春野菜・山菜について~
ふき
ふき(蕗)・・・キク科フキ属
日本原産の野菜。野生のものの採取もあるが、栽培種の多くは愛知早生で葉柄は太めで長さは1mにもなる。
水フキは葉柄が鮮明な淡緑色、香りが高いが生産量が少ない。秋田フキは葉柄の長さが2mにもなる。肉質がかたく、佃煮になるものが多い。 フキの若い花序はフキノトウで食べられる。
山菜
昔からヒトは穀物の栽培から農業を始め、野菜の栽培は穀物の栽培よりずっと後だと言われている。現在、ヒトが食べている野菜も元々は野生植物であったものを栽培化したものであり、「山菜」は山野に野生する植物を採取し食べるものをさす。また、山菜は山間部の農家で春に萌えだした草木から必要な栄養を補給する、漬け物や乾燥させた食品のように保存食品として年中利用されていたものである。
山菜を山で採る場合、霧が多く湿気のある林でなければ太くて柔らかい山菜は採れない場合が多い。
山菜の種類例
・タラノキ・・・ウコギ科タラノキ属
日本では全国各地の山地に生える落葉低木。最近の山菜ブームも重なり需要は高い。
全国でも栽培方法の研究(根挿し法)が進み、また、出荷時期の幅を広める萌芽の研究も併せて進み出荷量が増加している。昔から茎や根の皮を煎じて用いられる。
タラノキの若芽部分、「タラノメ」はほろ苦さが感じられ、天麩羅や和え物に利用される。
・ワラビ「蕨」・・・ワラビ科ワラビ属
ワラビは日本全国日当たりの良い草地、疎林に生える。昔から拳状の若芽を食べる。路地栽培の他、ビニールハウス利用の促成栽培もみられる。 アクが強く重曹を用いてアク抜きを行い、和え物やお浸しとして食べる事が多い。
・アサツキ「淺葱」・・・ユリ科ネギ属
北海道、本州や四国で野生する球根性多年草。葉部分と鱗茎を食べる。第二次世界大戦後、関東市場では主に東北地方のアサツキが山菜として販売されてきた。 アサツキは味にクセがなく、茹でて和え物や薬味として食べる。
参考
- 食材図典I&II:小学館
- 新ビジュアル食品成分表:鈴木一