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スポーツ版人間ドック SPS(スポーツプログラムサービス) / Sports Program Service

体験談

本郷 敬朋さん(81歳) スポーツ科学部 健康科学課 医科学員 今川泰憲
70歳でフルマラソンに初チャレンジ!
77歳のとき、念願の東京マラソンで4時間27分台の自己ベスト!
"今後の目標は、終末期に向かって最後まで健康を維持すること。そのためにSPSは必要、欠くこと出来ず!"

2020年9月24日(SPS 13回目受診、81歳)/2008年9月25日(SPS 1回目受診、69歳)
本郷さんがSPSを始めて受診したのは、約13年前(2008年)の69歳のときでした。受診の動機は、2007年から始まった「東京マラソン」に出場して"完歩したい"という思いと、ちょうどその頃"体力の低下を強く感じるようになっていた"からです。

本郷さんは、SPSを初受診した翌年の2009年(当時、70歳)に「河口湖マラソン」でフルマラソンに初めてチャレンジし4時間40分台の好タイムで完走、体力に自信を持ちました。そして、2014年と2017年には念願だった東京マラソンへの出場も叶い、「東京マラソン2017」では4時間27分台の自己ベストタイムを出して完走しました。"東京マラソンを完歩したい"と思いついてから9年後、77歳での快挙でした。

今回の「SPSトレーニング相談」注)の中で本郷さんは、"85歳までフルマラソンに出たい"と今後の抱負を語ってくださいました。81歳とはとても思えない、若々しい笑顔と声で。とにかく、お話をさせていただいているだけで元気と勇気をもらえる人、それが本郷敬朋さんです。

手記の中で、"今後の目標は、終末期に向かって最後まで健康を維持すること。そのためにSPSは必要、欠くこと出来ず!"とのご意見を頂き、SPS担当者として身の引き締まる思いです。

注)「SPSトレーニング相談」:SPSの測定結果に基いて、体力の現状や課題をご説明し、適切な運動やトレーニング方法などについてアドバイスと相談を行う。

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【写真左】SPSで脚筋力(膝関節伸展/屈曲トルク)を測定中の本郷さんのご様子
【写真中】SPSで骨量を測定中の本郷さんのご様子

※本郷さんのお名前、年齢、お写真、体験談は、ご本人の同意を得て掲載させていただいています

【本郷 敬朋さんから頂いた手記】

〔SPS初受診から2020年9月で満13年〕
SPS受診のきっかけは、満50歳まで運動と縁のなかった私が、健康診断で脂肪肝を指摘され、動脈硬化が始まっていて進行すると将来高血圧、脳梗塞、心筋梗塞、肝硬変、癌発症の原因になるとのお達しがあったからです。予防のために1日1万歩歩きなさいとのアドバイスで一念発起し、通勤時等に一駅、二駅手前から歩くようにしていました。が、1997年から1998年の1年間にギックリ腰を4回発症、整形外科での診断は"休養"の一言。思い余ってスポーツマッサージ師の元へ。腹筋を鍛えなければ回復しないとのアドバイス。即スポーツジムの会員になり諸器具での筋力運動、プールでのウォーキングと水泳を5年間続け、その後、今日まで再発なし。運動の大切さを知りました。
ジム退会後は、自宅でダンベルを使っての筋力運動とそれまで走ったことがないジョギング。初めは1~2kmから始め、2008年、2009年に「多摩川50km遊歩道完成記念ウォーキングフェスタ」に参加、苦い思いをしながらも完歩。
2007年には東京マラソンがスタートしました。ウォーキング完歩を期して無鉄砲にもマラソンチャレンジを思いつき、東京マラソンは2008年から毎年申し込みました。2009年河口湖マラソンでフルマラソン初チャレンジし4時間40分ほどで完走、自分の体力に自信を持つことに。
その頃、高齢期になって始めたPCのインターネットでSPSを知り、2008年9月に体力の低下(老化)を強く感じていたこともあって初受診。運動面、食生活面で詳しい指導、情報を頂けたことで、それ以降通常の健康診断に替えて毎年SPSを受診することになりました。翌年から受診の都度、長嶋先生のご指導、アドバイスを頂きながら、ハーフ、フルマラソンに年5回程度参加、2020年まで12年連続で参加しています。
2014年、2017年には念願の東京マラソンに参加が叶い、沿道からの応援に感動しながら完走しました。2020年は、1月にハーフマラソンを走って以降、マラソン大会は"コロナ禍"のため全レース中止になり残念な思いです。
これからの目標として、終末期に向かって最後まで健康を維持すること。そのためにはSPSの健診は必要、欠くこと出来ず。体の(血管、血液、骨、筋、関節、脳、心肺、聴、視、内臓全般)力の健康を維持することが最上の老化予防と思っています。
現在、2005年65歳時に取得したホームヘルパー2級の資格を生かし、2010年頃からガイドヘルパーとして障がい者の外出支援を続けております。良い頭の体操になっています。

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科学員からのコメント

"無鉄砲にも" (本郷さんに頂いた手記から引用)本郷さんがフルマラソンにチャレンジしようと思いついたのは、東京マラソンが始まった2007年(当時68歳)のときでした。手記の中でご自身を"無鉄砲"と回顧されたのは、それまで本郷さんはハーフマラソンさえ出場した経験がなかったからです。
東京マラソンに出ることを目標に練習を開始した本郷さんは、翌年の2008年、「多摩川50km遊歩道完成記念ウォーキングフェスタ」に参加し"苦い思いをしながらも完歩"。翌々年の2009年には、「河口湖マラソン」で人生初のフルマラソンにチャレンジし、4時間40分台の好タイムで完走。自分の体力に自信を持ちました。
さて、東京マラソンの参加資格を得るためには、当選確率10%の「エントリー抽選」に当たらないといけないのですが、本郷さんは2008年から毎年応募し、2014年と2017年の2回、念願だった東京マラソンの切符を手にしました。そして、東京マラソン2017では4時間27分台の自己ベストタイムを出して完走しました。"東京マラソンに出たい"と思いついてから9年後のこと、77歳での快挙でした。
本郷さんがこの快挙を達成できたのは、精神力の強さもさることながら、当時の本郷さんの体力が、脚筋力:58歳、最大歩行速度:20歳、全身持久力:60歳、骨密度:20歳という高いレベルに維持されていたことと、東京マラソンに出ることを励みに日々練習を積み重ねた成果に他ならないと思います。本郷さんは、東京マラソンにチャレンジしようと思いついてから、午後20時就寝、午前2時半起床、午前4時~6時に早朝練習(ジョギングと筋トレ)という日課を続けました。また、2010年からはガイドヘルパーとして障がい者の外出支援の仕事もこなしながらのチャレンジでした。
横浜市スポーツ医科学センターの開設と同時にSPSがスタートしてから今年で23年目になります。SPSに23年間も携わっていると、"こんなにすごい方がいらっしゃるのか?!"とビックリさせられる人に稀に出会えるのですが、本郷さんは正にその一人です。手記の中で、"今後の目標は、終末期に向かって最後まで健康を維持すること。そのためにSPSは必要、欠くこと出来ず!"とのご意見を頂戴し、SPS担当者の一人として身が引き締まる思いです。           

A.SPS男性受診者における脚筋力(膝関節伸展トルク・体重比)の代別平比均値

B.本郷さんの脚筋力(膝関節伸展トルク体重比)の推移

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※1 膝関節伸展トルク・体重比:膝関節節伸展トルク・体重比とは、太腿の前側の筋肉である大腿四頭筋(歩く、走る、跳ぶなどの基本的な下肢の動作の主働筋)が発揮した筋力(膝関節伸展トルク)を体重で割った数値のことです。これは、自体重を支えるための下肢の能力を評価する指標であることから「体重支持力」あるいは「体重支持指数」とも呼ばれて用いられています(単位は、N・m/㎏:ニュートン・メートル/kgで表します)。

図の説明

本郷さんが東京マラソン2017で自己ベストを出したときの「体重支持力」は2.32N・mで、これはSPSを受診した男性の58歳平均に相当する値でした(図1A.およびB.参照〕)。このとき本郷さんは77歳でしたから、本郷さんの体重支持力は歴年齢より19歳も若かったことになります。ちなみに、SPS女性受診者の20歳平均値が2.21N・m/kg(図1-B青の直線)なので、本郷さんの体重支持力は女性の20歳平均よりも高かったことになります。77歳の本郷さんがフルマラソンを4時間27分台で完走できたのは、体重支持力がしっかり備わっていたことが一つの要因といえるでしょう。
ところで、大腿四頭筋は、加齢による筋萎縮や筋力低下が著しい筋で、20歳の筋力を100%とした場合、70~80歳ではその50~60%まで減少するとの研究報告があります。また、その減少速度は50歳以降加速度的に大きくなっていくこともわかっています(図1-A.「SPS男性受診者における脚筋力の年代別平均値」を参照)。これらの点から、加齢による筋萎縮や筋力低下をいかに少なく抑えられるかが、高齢になっても活動的に動ける身体を維持するために重要といえます。
 ここで再度図1-B.を見ると、本郷さんの脚筋力は、SPS1回目から4回目(69→72歳)にかけて比較的大きな低下(-20%)が認められたのですが、そこから東京マラソン2017までの5年間は徐々に増加傾向を示していることがわかります。本郷さんはマラソンを開始した当初、ランニングやウォーキングが中心の練習をしていましたが、それだけではフルマラソンに必要な筋力を維持するのは難しいことを2回目以降のSPSの中でご説明し、脚や体幹の筋力トレーニングも意識的に実施するようアドバイスをさせていただきました。
私は、年齢を重ねれば重ねるほど、生活習慣の一部として筋力トレーニングを定期的に実施してことが有用と考えています。  

図2.本郷さんの骨量(踵骨OSI※2:音響的骨評価値)の推移

A.SPS男性受診者における骨量の代別平均値と骨粗鬆症予防財団における年齢標準値との比較

B.本郷さんの骨量(踵骨OSI値)の推移

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※1 踵骨OSI(音響的骨評価値):踵骨OSI(音響的骨評価値)とは、骨の丈夫さ表す一指標のことです。足の踵の骨(踵骨)に超音波を通し、踵骨を透過する超音波の音速(速度が大きいほど骨の密度が高い)と超音波が踵骨部分を透過するときの減衰の周波数特性(透過指標:透過波形の第一極大値の半値幅が大きいほど骨の量が多い)を調べることで骨の丈夫さがわかります。踵骨OSI値が高いほど骨が丈夫であり、踵骨OSIが低いほど骨が弱い(脆い)状態を意味します。踵骨OSIがYAM(Young Adult mean::若年成人平均値:20~44歳の平均値)の80%未満の場合、「要精密検査レベル」(骨粗鬆症が疑われる状態)と判定されます。

図の説明

 一般に、男性の踵骨OSIは、20歳代前半でピークに達した後、加齢とともに低下していきます(「骨粗鬆症予防財団における踵骨OSIの年齢標準値」、図2.A青色の折れ線)。一方、SPSを受診した男性の踵骨OSIは、全年代で骨粗鬆症予防財団の年齢標準値を大きく上回っており、とくに80歳平均値の方が75歳平均値より高い値を示しているのが特徴的です(図2A黒色の折れ線)。この要因として、骨粗鬆症予防財団の80歳標準値には運動習慣や体力があまりない高齢者が多く含まれているのに対して、SPS受診者の80歳平均値は、定期的運動習慣があって、自ら進んで体力測定を受けに来られる、元気な高齢者を含む割合が多いからと考えています。
 さて、本郷さんの踵骨OSIの推移(図2-B.赤色の折れ線)を見ると、SPSを初受診した69歳のときから骨粗鬆症予防財団の20歳標準値を大きく上回っていて、そこから12年が経った81歳の現在も69歳のときとほぼ同レベルに維持がなされていることがわかります。骨を丈夫にするためには、力(負荷)が重力方向に作用する抗重力運動(ウォーキング、ランニング、スクワット、etc.)が有用とされているのですが、本郷さんは正にそれを実践されてきた方でした。
また、"骨量は、加齢と伴に低下する"のが教科書ではセオリーですが、それはあくまでも平均値の話であって、個々のデータを注意深く眺めていくと、本郷さんのように高齢でも骨量が高い水準に維持されている人を少なからず見つけることができます。そして、そういった方の殆どがウォーキングや筋力トレーニングなどの抗重力運動を生活習慣の一部として続けていらっしゃる方です。
これらの点から私は、"骨量は、加齢(老化)によって低下する部分よりも、加齢による不活動性(身体不活動)の増加(=骨への刺激量の減少)によって低下する部分の方が大きいのではないか"と考えています。

佐藤 容子さん(65歳) スポーツ科学部 健康科学課 医科学員 今川泰憲
「体力年齢20歳」の65歳女性。"大事なのは、無理なく続けていくこと"!

2019年12月2日(SPS15回目)/2004年6月24日(SPS初受診、49歳)
佐藤容子さんは、2004年6月にSPSを初受診し、その後毎年SPSを受診して今回で合計15回目になりました。
佐藤さんは、SPS初受診後に当センターの水泳教室に入会し、それから現在に至るまでの約16年間週1回の頻度で水泳を続けていらっしゃいます。
今年で65歳になった佐藤さんですが、佐藤さんの「体力年齢」は、脚筋力、脚伸展パワー、最大歩行速度など多くの体力項目で20歳平均値またはそれを上回るレベルに維持されています。「体力年齢20歳」ということは、20歳の女性と同様の動きができるということで、実際にSPSを受けているときの佐藤さんは、身のこなしが軽やかで、外見的にも若々しく見える女性です。
佐藤さんが「体力年齢20歳」を維持できている理由は、必ずしも歯を食いしばるようなきついトレーニングを行ってきたからではなく、"自分の中で無理なくできる運動"を長く続けてきたからであることが、佐藤さんに頂いた手記からよくわかります。また、体力とは異なるのですが、佐藤さんが閉経してから58歳まで続いた骨量の急激な減少に歯止めをかけ、59歳以降は逆に骨量が増加し続けている点も、佐藤さんの地道なご努力の結果だと思います。
50歳前後の閉経期にあたる女性や、すでに閉経期を過ぎて骨量が減少してしまい将来骨粗鬆症になることが心配な女性は、是非佐藤さんの経験を参考にして頂けたらと思います。

【SPSで体力測定を行っている佐藤さんのご様子】

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【写真左】脚筋力(膝関節伸展・屈曲トルク)の測定を行う佐藤さんのご様子
佐藤さんの脚筋力(膝関節伸展トルク・体重比)は、体重1kg当たり2.36N・m(ニュートン・メートル)あり、これはSPSを受診した20歳の女性の平均値2.21N・mを上回るレベルにあります。

【写真右】柔軟性(長座位体前屈)の測定を行う佐藤さんのご様子
佐藤さんの柔軟性(長座位体前屈)は20.5㎝で、これはSPSを受診した女性の20歳平均値12.7㎝を上回るレベルにあります。

【佐藤 容子さんから頂いた手記】

SPSを受診しはじめてから12回目のこと。それまで、年中行事くらいしか考えていなかったSPSへの意識が変わりました。
その年から始まった、体力年齢(体力測定によるロコモチェック)が、骨の丈夫さ以外すべて20歳と評価されたのです。当時の私の実年齢は62歳。正直驚きました。
SPSの最後のトレーニング相談を担当してくださった先生からも、いつも以上のお褒めの言葉をいただき、戸惑ったくらいです。
というのも、当時の私は週一回のスイミングに行く程度しか運動をしていなかったのです。それでもこの評価ということに、「生まれ持ってのものだろうなあ。ありがたい」と感じ、「せっかくならば、この状態を維持しなければいけないな」との思いが涌いてきました。
早速、私は、ぶら下がり棒を購入。「絶対にハンガー掛けにはしないぞ」と内心誓っていました。そして毎日、以下の4つのステップを繰り返しました。

  1. ぶら下がり(30秒)
  2. 懸垂(5回)
  3. バーを使っての肩入れ
  4. バーを利用した足上げストレッチ

1から4まで、自分の中で無理なくできる範囲の内容を決めました。そして、もしできない日があっても自分を責めないと、自分と約束もしました。大事なのは、無理なく続けていくことだと思ったからです。
その結果、予想以上の体の変化が起こりました。
高校生のときに傷めた左太腿の痛みがなくなったのです。今では足を開脚して、胸がペタンと床につくようになりました。太腿の筋の慢性的な痛みがなくなった上に、肩こりと腰痛、膝痛の軽減にもつながりました。
唯一、SPSの結果であまりよくなかった「骨の丈夫さ(骨密度)」を改善すべく、かかと落とし健康法とスクワットもすることにしました。(また、骨密度改善に効くという飲料も飲み始めました。) さらに、硬くなった肩関節のストレッチも欠かさず行いました。
担当の先生からの勧めで、週に1~2回職場まで2.3km程の距離を速足で歩くようにしたことも良かったのではないかと思います。 
これらの成果は、翌年のSPSの結果にもきちんと現われていました。骨量が増えていたのです。(よかった!)
SPSは受診するのに一日がかりで面倒な側面もありますが、医学的検査・トレーニング・栄養の三部門で自身に合った指導を受けることができるので、とてもよい機会だと思うようになりました。
年齢を重ねても薬知らずのままで過ごせているので、このままの状態を少しでも長く維持できるように日々頑張っていきたいと思っています。  

図1.佐藤さんの脚筋力と骨量の推移

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表1.佐藤さんの「体力年齢・ロコモ度判定結果表」

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【科学員からのコメント】

佐藤さんの脚筋力は、20歳平均値を上回るレベルにあります(図1.佐藤さんの脚筋力と骨量の推移、および、表1.佐藤さんの体力年齢・ロコモ度判定結果表を参照)。ここで脚筋力の評価に用いている膝関節伸展トルク(体重比)とは、太腿の表側の筋肉である大腿四頭筋が発揮した筋力(膝伸展トルク)を体重で割った数値のことで、体重を支える力と密接に関係することから『体重支持指数)』として評価される場合もあります(単位は、N・m/㎏で表します)。

一般に、女性の膝関節伸展トルクは20歳前後でピークに達し、その後、加齢とともに直線的に低下していきます(図1、〔脚筋力〕の左側の図を参照.)。SPS女性受診者の20歳平均値が2.21N・m/kgで、現在65歳の佐藤さんの膝関節伸展トルクが2.36N・m/kg(図1.〔脚筋力〕の右側の図を参照〕)ですから、佐藤さんの体重支持力は女性の20歳平均値よりも高いレベルにあることがわかります。また、佐藤さんがSPSを初受診した49歳のときの膝関節伸展トルクが1.97N・m/kg(体力年齢42歳相当)でしたから、現在の佐藤さんの体重支持力は16年前より約20%(0.41N・m/kg)アップしたことになります。

佐藤さんはSPSを初受診した直後に水泳教室に入会し、それから現在まで約16年間水泳を続けてきました。水泳の実施頻度は週1回程度でそれほど多くはなかったのですが、長年続けてきたこの運動習慣がなければ、65歳で『体力年齢20歳』という評価は得られなかったと思います。

まさに"継続は力なり"と感嘆させられる、臨床的にも貴重なデータだと思います。

そんな佐藤さんにとって往年の課題であったのは、骨量の急激な減少に歯止めをかけることでした。

佐藤さんがSPSを初受診したときの骨量は、女性の20歳平均値を大きく上回るレベルだったのですが(図1.〔骨量〕の右側の図を参照)、49歳の閉経を機に急激に減少し始めて、その減少傾向は58歳まで続きました。しかし、59歳から再び増加傾向に転じ、その傾向は現在も続いています。

佐藤さんの運動習慣は、49歳から58歳までは水泳がメインだったのですが、58歳でSPSを受診したときに骨量の減少が大きいことを指摘され、それを機に"骨の丈夫さを改善すべく(佐藤さんの体験談から引用)"、陸上での運動を意識的に行なうようになりました。通勤時の速歩、スクワット運動、踵落としなどがそれです。骨を丈夫にするためには、ウォーキングやスクワットなど力(負荷)が重力方向に作用する運動が有効とされているのですが、佐藤さんは実践によって理論を証明してくれた女性です。

現在45~50歳前後の閉経期にあたる女性の方や、すでに閉経期を過ぎて骨量が減少してしまい将来骨粗鬆症になることが心配な女性の方は、是非佐藤さんを参考にしていただけたらと思います。

(スポーツ科学員 今川泰憲)

大島 節子さん(82歳) スポーツ科学部 健康科学課 医科学員 今川泰憲
61歳のときから約21年間、週2回の頻度で続けてきた筋力トレーニング。
最初は75歳平均値だった骨董が、82歳の今までは54歳平均値に!

● 2018年11月1日(SPS10年ぶり7回目受診、82歳)/1998年4月13日(SPS初受診、61歳)
大島節子さんは、横浜市スポーツ医科学センターが開設して直ぐの1998年4月にSPSを初受診し、今回が約10年ぶりで7回目の受診になりました。
大島さんは、SPS初受診後に当センタートレーニングルームの「パワーアップ教室」(現トレーニング教室)に入会し、筋力トレーニングを中心とする運動を開始しました。そして、それ以降現在に至るまでの約21年間、週2回の頻度でトレーニングを続けてきました。61歳のときから82歳の現在に至るまで、約21年間トレーニングを続けてきたそれだけでも凄いと思いますが、この後にご紹介する「大島さんの体力年齢・ロコモ度判定結果表(表1参照)」および「大島さんの脚筋力、柔軟性、骨量の推移(図1参照)」をご覧いただけば、大島さんが積み重ねてきた成果がどれほど大きなものであったかお分かりいただけると思います。
とにかく"マーベラス"(とても素晴らしい、信じられない)な女性、それが大島節子さんです。
手記の中で、"今迄、長く続いていますのもスタッフの皆様が親切で励まして下さるおかげだと思っています。今後も頑張って通いますので、よろしくお願いいたします"というお言葉を頂戴し、SPSならびにトレーニングルームのスタッフ一同、恐縮至極の思いです。

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【写真1】骨量(踵骨OSI)を測定している大島さんのご様子
【写真2】30kgの錘(おもり)を着けてバーベル・ベンチプレスを行っている大島さんのご様子
【写真3】40kgの錘をつけてバーベル・スクワットを行っている大島さんのご様子
【写真4】"普段から友達"という大島さんとトレーニング指導員の河崎さん

※大島さんのお写真は、ご本人の同意を得て掲載させていただいています。

【大島 節子さんから頂いた手記】

大島 節子

主人が急に倒れて看護が始まりました。一生懸命世話をするほど疲れとストレスが溜まり、悩んでいたその時に「よこはま広報」にスポーツ医科学センターの参加募集が出ていたので、早速申し込みました。距離的にも歩いて三十分ぐらいなので、週二回通い始めました。友達もできランチもしたりして精神的にものすごく楽になって来ました。時には、雨や雪の日にも出かけようと玄関に立っていると、同居している娘に"こんな日に行くの?"と苦笑されたこともあります。又同じ時期にゴルフクラブ一本持って練習場に通い始めました。今では、月二、三回コースにも出て楽しんでいます。
早いもので今年で医科学センターに通い始めて二十年になります。健康第一と自負しています。三ヶ月に一回内科検診もしています。とくに異常もなく安心していましたが、先月久しぶりにSPSを受けましたら、筋力、持久力、柔軟性が年齢と共におとろえていました。年一回はSPSを受けることをお勧めします。
今迄、長く続いていますのもスタッフの皆様が親切で励まして下さるおかげだと思っています。今後も頑張って通いますので、よろしくお願い致します

表1.大島さんの「体力年齢・ロコモ度判定結果表」

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※1「ロコモ」とは、「ロコモティブシンドローム」の略で、運動器(筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板など)の障害によって歩行(移動)能力や日常生活に何らかの支障を来たし、将来"要介護"や"寝たきり"になる可能性が高い状態。

【科学員からのコメント】

大島さんがSPSを初受診したとき(当時61歳)の体力は、脚筋力、骨量、柔軟性などがSPS受診者の年齢平均値を大きく下回っていました。しかし、現在82歳の大島さんの脚筋力、骨量、柔軟性は、61歳のときよりかなり高いレベルにあり、SPS受診者の年齢平均値を大きく上回っています(表1.および図1.参照)。

大島さんは、SPSを初受診する前は定期的な運動習慣がありませんでしたが、その後、当センターのトレーニングルームで筋力トレーニングを中心とする運動を開始しました。そして、それ以降約21年間、週2回の頻度で筋力トレーニングを継続してきました。上述の結果は、大島さんが長年続けてきたトレーニングの成果に他ならないと思います。

大島さんの結果の中でも私がとくに注目させられたのは、踵の骨の丈夫さを表す骨量(踵骨OSI値)の変化です。一般に、女性の踵骨OSIは、閉経期(45~50歳前後)を境に急激に低下し始め(図1中段〔骨量〕の左側図、「骨粗鬆症財団の年齢標準値〔青の折線〕"」および「SPS女性受診者の年代別平均値〔黒の折線〕を参照)、年齢標準値の線を右にたどっていくと、概ね75歳で"要精密検査レベル"(同図、赤の水平線)まで低下します。(骨粗鬆症という病気が女性に多いのは、閉経後に女性ホルモンの分泌量が減少し、それによって骨からカルシウムが吸収されやすくなることが大きな要因とされています。)

さて、大島さんの骨量は、SPSを初受診したときは"要精密検査"すれすれの位置(図1.中段〔骨量〕の右側図、参照)で、このままだと数年後には骨粗鬆症と診断される可能性が極めて高いレベルでした。ところが、それから約21年が経過した今回のSPSでは、初診時より約15%も高い数値(54歳の平均値に相当)になっていたのですから驚かされました。この結果は、"たとえ高齢かつ骨量の初期水準が低い女性でも、適度な運動刺激を骨に与え続けることで、骨量の減少を抑制または増加させることも可能である"ことを示唆する、臨床上、非常に意義ある結果と考えます。

大島さんには、このような貴重なデータを我々スポーツ科学に携わる者に示して頂けたことに感謝するとともに、これからも元気で筋力トレーニングを続けていって欲しいと思います。

(スポーツ科学員 今川泰憲)

図1.大島さんの脚筋力、柔軟性、骨量の推移

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久保 徹さん(61 歳)
今でもSPSが健康のバロメーター。
"私の人生にとってかけがえのないスポーツという贈り物"くれました。
2018 年3月17日(SPS18回目、61歳)/ 2001年3月3日(SPS初診、44 歳)

"たまに山歩きをする程度で、日常、運動をする習慣が全くない生活を長く送ってきました"(頂いた手記から引用)という久保徹さん。そんな久保さんが SPS を最初に受診したのは、18 年前の 2001年3 月、44 歳のときでした。

SPS 受診をきっかけに、久保さんは当時の「パワーアップ教室」(現トレーニング教室)に入会してまずは筋力の強化を図り、その後、ジョギング→10km→ハーフ→フルマラソンとステップアップして、フルマラソンへの参加も合計20 回を数えるまでになりました。

SPS は今回で 18 回目になる久保さんですが、手記の中で"今でも SPSが健康のバロメーターになっています"、"私の人生にとってかけがいのないスポーツという贈り物をくれました"とのご意見を頂戴し、SPS 担当者の一人としてとても嬉しく思います。

【写真左】SPS で骨量(踵骨OSI)測定中の久保さんのご様子
【写真中】ランニング・マシーンを走っている久保さんのご様子
【写真右】バーベル・スクワットを行っている久保さんのご様子
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久保さんのお写真は、ご本人の同意を得て掲載させていただいています。

【久保 徹さんから頂いた手記】

〔SPS と共に18 年〕

久保 徹

たまに山歩きをする程度で日常運動する習慣が全くない生活を長く送ってきました。小机に引っ越してしばらくして、何もなかった駅の向こうに巨大な競技場ができました。たまたま知人から、その競技場内の施設で体力測定プラス健康診断があると聞き、SPS を最初に受けたのが2001 年、確か44 歳のときでした。

結果は並程度でしたが、関係者の皆さんの熱気に押され、思い切って当時の「パワーアップ教室」に通うようになりました。ジムでマシンを使うのは初めてでそれ自体面白く土曜日の夕方にもかかわらず熱心に通いました。教室が終了した後も含め6 年ほどジムに通いました。今川先生のご指導の下、少しずつ力が付き、ベンチプレスで自分の体重、スクワットでは、憧れだったシャフトがしなる重さまでたどり着き、この歳になっても記録が向上する充実感を味わうことができました。

そのころ、トレッドミルから外を走る人たちを見てうらやましく思い、自分も鶴見川や競技場周辺を走り始めました。残念ながらジムとの両立はできず、いつの間にか、土日に走ることに専念して約12 年になります。一生で一度ぐらいマラソン大会に出てみようかと思い2年目から参加を始めた大会も10km、ハーフ、フルマラソンと多くの大会に参加するようになりました。初めの数年は走力が徐々に向上しましたが、フルマラソンの4 時間は切れず、このところ維持するのがやっとと年齢を強く感じております。走ることは、基本的に辛いのですが、途中で足のあちこちが痛くなったり、急に調子が良くなったりと、走りながら自分の体と対話しているイメージが持てるところが面白いです。

走り始めてから、上体の筋肉はてきめん落ち、脚のパワーも徐々に落ちているようでしたが、毎年のSPS で状態を把握でき、またアドバイスをいただいているのでとても安心感があります。今回骨量改善で評価をいただきましたが、こればかりは意識して鍛えたものではありません。今までの積み重ねの成果なのでしょうか。たまたまの SPS から始まり、今でもSPS が健康のバロメーターとなっています。

気が付けばフルマラソンも 20 回を数えるようになりました。小机に住んで、縁のできたSPS ですが、私の人生にとってかけがいのないスポーツという贈り物をくれました。 フルマラソンのシーズンベストを並べます。毎年のSPS との相関はわかりませんが、それなりに健康で頑張っていることをご理解いただければ幸いです。

2008-09年 4時間12分 2009-10年4時間7分
2010-11年 4時間8分 2011-12年4時間31分
2012-13年 4時間3分 2013-14年4時間10分
2014-15年 4時間10分 2015-16年4時間2分
2016-17年 4時間22分 2017-18年4時間8分

表1.久保さんの「体力年齢・ロコモ度判定結果表」

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【科学員からのコメント】

久保さんの体力は、「ロコモ」※1 に関係が深いとされる全ての項目で、横浜市スポーツ医科学センターの年齢標準値を上回っています(表 1.参照)。中でも、踵の骨(踵骨:しょうこつ)の丈夫さを示す「骨量」と歩行能力を評価する「最大歩行速度」は、20 歳平均またはそれ以上のレベルで優秀です。

久保さんの骨量は、SPS を初受診したときは、骨粗鬆症財団の年齢標準値に近いレベル(44 歳平均値)でしたが、SPS5 回目の48 歳から増加傾向に転じ、52 歳のときには20 歳平均に達して、その後も61 歳の現在に至るまで増加傾向が続いています(図 1.〔骨量〕の右側の図を参照)。久保さんの骨量が増加し始めた時期は、久保さんがランニングを開始した時期とほぼ一致することから、ランニングによる着地の刺激が踵骨に対して有効に作用して、骨量が増加したものと推察されます。前回の SPS 体験談でご紹介した峰田正隆さんの場合もそうでしたが、"骨量は、加齢の影響で必ず低下するのではなく、適切な運動と栄養によって増加するケースもある"ことを示す、医学的にも大変貴重なデータだと思います。

次に、最大歩行速度(約10mの区間をできるだけ速く歩く)についてですが、近年の研究から、歩行速度は、筋力、全身持久力、平衡性、ADL(日常生活動作)、QOL(生活の質)など多数の健康指標との間で相関が高く、"速く歩ける人ほど健康状態が良い"、"速く歩ける人ほど転倒のリスクが低い"、"速く歩ける人ほど寝たきりになりにくい"といった結果が示されています。すなわち、歩行能力を維持することが「ロコモ」などの生活習慣病の予防になり、"健康寿命"を延ばすことに繋がっていくと考えられます。20歳男子と同じ速さで歩ける久保さんは、健康状態が良く、将来、「ロコモ」が原因で"要介護"や"寝たきり"になるリスクが低い方と言えるでしょう。

手記の中で久保さんは、"走ることは、基本的に辛いのですが、途中で足のあちこちが痛くなったり、急に調子が良くなったりと、走りながら自分の体と対話しているイメージが持てるところが面白いです"と語られています。久保さんの目標は"サブ4(フルマラソンで4時間を切ること)"ですが、これからも自分の体と対話しながら、楽しんでマラソンを走って欲しいと思います。(スポーツ科学員 今川泰憲)

1「ロコモ」とは、「ロコモティブシンドローム」の略で、運動器(筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板など)の障害によって歩行(移動)能力や日常生活に何らかの支障を来たし、将来"要介護"や"寝たきり"になる可能性が高い状態。

図1.久保さんの骨量、全身持久性、脚筋力の推移

写真

峰田 正隆さん(75歳)62歳で始めたトライアスロンが今では日本エイジランキング2位!
80歳まで「競技」としてトライアスロンを続けることが目標!(スポーツ科学部 健康科学課 医科学員 今川泰憲)
【2018年3月5日(SPS12 回目、74歳)/2006年10月20日(SPS初診、63歳)】

 62歳でトライアスロンを始めた峰田正隆さんは、"少しでもパフォーマンスを上げるために自分の健康、体力の状態を知り、弱点を改善したい"と考えて、2006年10月にSPS を初受診しました。そして、それ以降毎年SPSを受診して、今年で合計12 回目になりました。

 "学生時代からサラリーマン時代を通して運動はほとんどしておらず、現役時代は月1回のゴルフが唯一の運動でした"という峰田さん。そんな峰田さんが、75歳になった現在、トライアスロンの日本エイジランキング(年代別日本ランキング)で2位になっていようとは、峰田さんご本人も誰も予想していなかったでしょう。それを成し遂げたまさに鉄人(Iron Man=アイアンマン:トライアスロン競技者の尊称)、それが峰田正隆さんです。

 実は、峰田さんに体験談を依頼したのは今回が2回目になります。1回目(2015年2月)のときは、 簡単なプロフィールの紹介しかできなかったため、今回は、峰田さんが日本エイジランキング2位になるまでの軌跡を、峰田さんのSPSデータと合わせて是非読者の皆様にご紹介できればと思い、改めて体験談の執筆をお願いしました。

 驚いたことに、峰田さんの体力は、脚筋力とパワー、全身持久力、柔軟性が、横浜市スポーツ医科学センターのSPS評価基準に照らし合わせて20歳の男子平均またはそれ以上のレベルに保たれています。
日本エイジランキング2位の実績が、このような基礎体力の高さによって支えられていることは間違いありませんが、75歳の年齢でこの体力を維持し続けている峰田さんには、ただただ頭が下がる思いです。

 "これからも「競技」として、80歳までトライアスロンを続けたい"という峰田さん。
そんな峰田さんの益々のご活躍を、SPS のスタッフ一同も楽しみにしています。

ストレッチング(写真上)、脚筋力測定(写真下)中の峰田さんのご様子

峰田さんの脚筋力(膝関節伸展トルク)、柔軟性(長座位体前屈)は、どちらも20歳の男子平均値を上回るレベルにあります(表1.および図1.を.参照)。

【峰田 正隆さんから頂いた手記】

"SPS を受けて"
SPS は平成30 年で12 回目になります。

<受診のきっかけは62歳で始めたトライアスロン>
学生時代からサラリーマン時代を通して運動はほとんどやっておらず、現役時代「月1回のゴルフ」が唯一の運動でした。そんな私がトライアスロンを始めたのですが、少しでもパフォーマンス(スイムバイク、ランニング)を上げるため、現在の健康状態・体力を知り弱点を改善したいと考えたのです。

<利用目的>
「横浜市スポーツ医科学センター」(以下、スポ医科と省略)のSPSでは、内科的検査、各種体力測定、骨量測定、食事調査の結果を合わせて診断とアドバイスをしてくれます。同センターは、赤羽にある「国立スポーツ科学センター」(オリンピック選手クラスの人のみ使用可能)の次ぐらいのレベルだと思います。ここでの診断結果から、自分の健康状態を確認し、課題の改善を図り、理想的な身体づくりを目指します。

<具体的な成果>
① SPS 初受診時、私の骨密度は危険ポイント(骨粗鬆症の「要精密検査」レベル)すれすれでした。対策として、スポ医科の管理栄養士に相談し、特性フリカケ(煮干、かつお節など10 種類を配合)を朝夕の食事の際に摂取することにしました。その結果、数年後から効果が出始め、今年は27歳に相当するところまで改善されました。(運動との併用が必須)
② 筋力は、SPSの測定結果を毎回スポーツジムのトレーナーに見せトレーニング方法に活かしてもらいました。結果、膝関節伸展力、瞬発力、柔軟性、全身持久力も以前より向上しています(数値では20歳代の診断結果)。現在、レッグプレスでは体重の3 倍(55kg×3=165kg)以上の重さを持ち挙げることが出来るようになりました。
③ 元々、身体は硬い方だと思っていましたが、練習の結果、柔軟性が良くなった部位が増えました(今後は足首が課題)。

<SPS での相談>
① SPS 担当ドクターには健康面での相談を毎回していますが、簡潔に説明してくれるので安心して聞くことが出来ます。
② 食事の摂り方には当初偏りがありました。そして、管理栄養士のアドバイスで栄養のバランスが良くなりました(夏に強い身体づくりが出来たのもその成果)。
③ スポーツ科学員の方は、測定内容を易しく解説し、トレーニングの相談に乗ってくれます。結果だけでなく、内容把握が大切なのでありがたいです。

<今後の目標>
私の場合、SPS は「競技」としてトライアスロンを続けていくための基本と思っています。トライアスロンを始めた当初は 10年も続けられたら上出来と思っていましたが、75歳までやって来られたのは、毎年SPSを受けて自身の健康や体力をチェックし、その結果を日々の食事やトレーニングの中で活かして来られたからだと思います。
年齢と伴に体力は低下すると言われていますが、基礎体力をしっかり作り、次の目標 80歳まで頑張ります。

峰田 正隆

表1.峰田さんの「体力年齢・ロコモ度判定結果表」
【今回の結果から峰田さんへのコメント】

峰田さんのSPS データには驚かされる点が多々ありますが、中でも私が最も驚かされたのは、骨の丈夫さを示す骨量(骨密度)が著しく増加していた点です。

峰田さんの骨量は、SPSを初受診した63歳のときは、男子の70歳平均値に相当する低いレベル(「要指導レベル」)でしたが、SPS4 回目(66歳)から増加傾向に転じ、遂に今年のSPS では27歳という評価が出ました(表1.および図1.参照)。この間、歴年齢は12歳年を取ったわけですが、骨量の年齢は43歳も若返った計算になります(絶対値レベルでは、約20%の骨量の増加)。

峰田さんは、体験談の中で"SPS初受診時に骨量の結果が悪かったことから、スポ医科管理栄養士に相談して『特性フリカケ(煮干、かつお節など10種類を配合)』を朝と夕食事時に摂取することにしました。(運動との併用が必須)"と述べられていますが、峰田さんの骨量の増加は、管理栄養士の助言を守り、それを12 年間"コツコツ"と積み重ねて来た結果であったわけです。

一般に、"骨量は、加齢と伴に低下する"とされていますが、峰田さんのデータは、"骨量は、加齢によって低下する部分よりも、加齢による不活動性(身体不活動)の増大や、骨形成に必要な栄養素の摂取不足により低下する部分の方が大きいのではないか?"と認識を改めさせられる、医学的にも大変貴重なデータだと思います。

厚生労働省が2018年3月に発表した資料によれば、日本人男性の平均寿命は80.98歳、自立して日常生活ができる「健康寿命」は72.14歳となっています。このような現状において、現在75歳の峰田さんが果たして何歳までトライアスロンを続けられるのか? あるいはまた、何歳までこの基礎体力や骨量のレベルを維持できるのか?
等、私はスポーツ科学の仕事に携わる者として、峰田さんへの興味は尽きません。

80歳まで「競技」としてトライアスロンを続けることが目標"という峰田さんですが、怪我だけはしないように注意をして、今後も充実した競技生活を送って欲しいと思います。そして、目標とする80歳になったとき、是非ともトライアスロンの日本エイジランキングで1 位の座に輝いていて欲しいと思います。
(スポーツ科学員 今川泰憲)

図1.峰田さんの脚筋力、柔軟性、骨量)の推移 

原 功さん(75歳)瀬谷SCの利用回数がなんと6300回!(健康科学課スポーツ科学員 今川泰憲)
【1999年4月26日(SPS初受診)/2018年2月1日(SPS19回目)】

 55歳で現役サラリーマンを引退した原さんは、"これから先の人生、健康面をどうしようか"と考え、自宅に近い瀬谷スポーツセンターで、筋力トレーニングやエアロバイクなどの運動を開始しました。驚いたことに原さんは、それから今日までの約20年間、ほぼ毎日のようにスポーツセンターに足を運び、合計利用回数が6300回を超えたとのこと。この記録は、瀬谷スポーツセンターのトレーニングルーム"利用番付"で1位とのことで、瀬谷スポーツセンターに行けば番付表の最初に原さんの名前が見られるとのことです。そして原さんは、"80歳8000回"を目標にして、今日も頑張っていらっしゃいます。

 また、原さんは、スポーツセンターの利用を通して仲間が増え、汗をかいた後の食事会や一杯会、カラオケ等、運動以外の部分でも充実した時間を過ごされているとのことです。

 SPSは、1999年に初受診されてから今回で合計19回目となる原さん。体重と体脂肪率が徐々に増えてきて、肝機能の数値がやや高めなどの課題がありますが、これからも楽しく運動を続け、仲間との充実した時間を過ごしていただけたらと思います。

脚筋力(膝関節伸展/屈曲トルク)の測定を行う原さんのご様子

【写真:横浜市スポーツ医科学センター体力測定室にて撮影】

【原さんから頂いた手記】 

 1997年、55才で現役サラリーマンを引退しました。当時は体重70kgで世間でいわれるメタボ、お腹がポッコリ出ていました。帰りには仲間と一杯飲み、健康的とは思われない生活でした。これから先の人生、特に健康面をどうしようかと考えました。

 一日のスケジュール、特に午前中は公園に行き、ジョギングや器具を使った運動をやっていました。数日後の帰り道、瀬谷スポーツセンターが近くにあるのに気づき、即トレーニングルームへ行き、自転車(エアロバイク)、ベルトのウォーキング(トレッドミル)、筋力トレーニング等約2時間30分位汗をかきました。これが始まりで今日までつづき、約20年間で利用回数が6300回を超えました。私の目標としては何とか8000回達成を目指しています。おかげさまで仲間も増え、時々、食事会、一杯会、カラオケ等でストレス発散になっています。ただ一つ困っているのは、肝臓系の数値が上限をオーバーしていることです。

 SPSとの関わりは、2年後1999年にスポーツセンターでSPSのビラを見、体力測定をやっていることを知り、この年から1回目のスタートとなりました。今回で19回目になります。SPSの良い所は、体力測定の他に、尿、採血、胸のレントゲン、安静と負荷をかけた心電図、骨密度、肺活量等の医学的検査と医師の面談、インストラクターの方とデータを基に運動のやり方等いろいろ注意され、また食生活の注意点も記載されています。これらのデータはグラフとコメントで表示されわかりやすく、19年間の経過がわかるので、それなりに日常生活で役立ててます。

 私の体験からシルバーの方は、金銭的にも安いので絶対受けた方が得だと思います。この他に60歳から太極拳も始め、15年になります。こちらも友人が多数できて楽しんでいます。

 以上から、当面の目標80才まで元気で動けるよう継続したいです。

図1.原さんの「体力年齢・ロコモ度判定結果表」の一部
【今回の結果から原さんへのコメント】

 「体力年齢・ロコモ度判定結果表」(図1)から分かるように、原さんは骨の丈夫さを表す骨量および歩行能力を評価する10m最大歩行がともに20歳レベルにあり、75歳という実年齢を考慮すると非常に優秀といえます。

 一方、脚筋力(膝関節伸展トルク:太腿の前側、大腿四頭筋の筋力)をみると、実測値は143N・m(ニュートン・メートル)で、男子60歳平均に相当する高いレベルなのですが、これを体重で割ると1.90N・m/kgになり、ほぼ年齢平均という評価になります。原さんは、今まで約20年間瀬谷スポーツセンターで運動を続け、筋力の絶対値に関係する除脂肪量(体重から体脂肪量をひいた組織の重量。主に筋肉と骨の量を反映する)はよく維持ができているのですが、体脂肪が年々増加して、SPS初診時は70.7kgだった体重が、今回の測定では75.4kgになってしまったことが脚筋力の評価が低くなった原因です(図2.参照)。

 原さんは、ご自身も自覚されているように、血液検査で肝機能の数値が高いなど内科的疾患もみられるため、今後スポーツセンターで運動をする際は、エアロバイクやトレッドミルなど体脂肪を燃やすための有酸素運動をこれまでより多く実施するようアドバイスをさせていただきました。

 仲間と一緒に汗をかいた後の食事会・一杯会は、原さんにとって人生の大きな楽しみだと思います。今後もそれを長く続けていけるように、飲み過ぎ、食べ過ぎには十分注意していただけたらと思います。そして、原さんの目標である"80歳8000回"という大記録を是非達成して欲しいと思います。
(スポーツ科学員 今川泰憲)

図2.原さんの脚筋力、骨量、体組成(体重、除脂肪体重、体脂肪量、体脂肪率)の推移 

磯部 輝彦さん(87歳) SPSが人生を変えた (健康科学課スポーツ科学員 今川泰憲)
【1998年9月4日(SPS初受診)/2017年11月30日(SPS19回目) 受診】

 磯部さんがSPSを初めて受診したのは、1998年に横浜市スポーツ医科学センターが設立された年の9月でした(当時、68歳)。そして、それ以降毎年SPSを受診して、今回で合計19回目になりました。
60歳後半で退職したときの磯部さんは、"腕は細く、胸は薄く、お腹だけがポッコリ出た、まことに格好の悪い体形になっていましたが、このままではいけない、水泳選手のような逆三角形の体形は無理だとしても、せめてもう少し厚い胸板、割れた腹筋を"(磯部さんの手記から引用)と思いトレーニングを開始しました。また、それと同時期に設立された当センターで体力診断のためSPSを受けました。
磯部さんは、SPS受診直後に当センターのトレーニングルームで実施していたパワーアップ教室(現、筋力向上・姿勢改善教室)に入会して本格的にトレーニングを開始し、それから今日まで約20年間、週2回の頻度でトレーニングを続けてきました。そして、87歳になった今では、周りの人から"若い、元気だ"と言われるようになりました。磯部さんから頂いた手記にも書かれていますが、当センターのSPSが磯部さんにとってターニングポイントの一つであったことを嬉しく思います。

40kgのバーベルを担いでスクワットを行う磯部さんのご様子(写真左)

【写真:横浜市スポーツ医科学センタートレーニングルームにて撮影】

【磯部 輝彦さんの手記から】 

若い頃、運動らしい運動といえば月に2、3回のゴルフだけ、それで晩酌だけは毎日欠かさないという、決して健康的とは言えない生活を送ってきた私は、60代後半に退職した時には、腕は細く、胸は薄く、お腹だけがポッコリと出た、 まことに格好の悪い体型になっていました。このままではいけない、水泳選手のような逆三角形の体型は無理だとしても、せめてもう少し厚い胸板、割れた腹筋をと思い、腕立て伏せや腹筋運動、ウォーキングなどを始めました。 そんな時、日産スタジアム(当時は横浜国際総合競技場という名前でしたが)の下にあるスポーツ医科学センターで、SPSなる体力測定を受けられる事を知り、この体力検査を受けました。 それは単なる筋力測定だけではなく血液検査などを含む総合的な健康診断と体力診断でした。結果は、体力は良いがコレステロールの値が高いので、継続した運動が必要とのことで、トレーニングルームでの"シニアパワーアップ教室"を紹介され、 週2回のトレーニングを始めました。 この教室では、3ヶ月後トレーニングの結果を筋力測定だけでなく、形態測定をして胸、胸、脚、等の筋肉がどれだけ付いたか測定してくれるシステムになっており、体型改善を目指していた私にまさにぴったりした教室でした。それ以来、週2度のトレーニングルーム通いが定着し、日常生活に張りが出てきました。 そしてSPSでは筋力、瞬発力、敏捷性、等各項目ごとに5段階表示され、又、毎回の各測定結果がグラフに表されて年ごとの変化が一目で分かるようになっています。それで年に一度SPSを受けることによりその1年間のトレーニングや日常生活の見直しに つながりました。このようにして19年が過ぎ、87歳の今、人からは若い、元気だ、と言われるようになりました。健康生活に目覚めさせてくれたSPS、トレーニングルームのスタッフの方々に感謝の念で一杯です。

【科学員から磯部さんへのコメント】

磯部さんが68歳でSPSを初受診したときの脚筋力(膝関節伸展トルク)は、体重1kg当たり2.28N・m(ニュートン・メートル)で、これは体力年齢で表すと実年齢より6歳若い62歳に相当するレベルでした。それから約20年後、今回のSPSでの測定値は2.04N・m/kgで、20年前と比べて僅かな減少がみられました。しかし、体力年齢は69歳に相当するレベルで実年齢より18歳も若く、この間の筋力低下のスピードが非常に緩やかであったことがわかります(図1および図2参照)。
また、柔軟性(長座位体前屈)と骨量(音響的骨評価値)に関しては、初診時から高いレベルでしたが(各々20歳、40歳に相当)、今回の測定では初診時を上回る結果となっていました(図1および図2参照)。通常、60~80歳代にかけては、筋力、柔軟性、骨量などの低下が著しい時期なのですが、この時期に脚筋力の低下を最小限に抑え、柔軟性と骨量にいたっては逆に向上を示していた点は、真に驚嘆に値します。
磯部さんは、当センターでトレーニングを開始以降、週2回の頻度でトレーニングルームに来られ、約20年間これを続けて来られました。今回の磯部さんの結果は、その弛まぬご努力の賜物に他ならないと思います。
"体力は加齢により低下する"のが当たり前とされていますが、磯部さんは"適切な運動を行えば、"筋力、柔軟性、骨量は87歳まで良好な状態で維持できる"ことを証明していただいた貴重な方です。そして、現在も向上心をもってトレーニングに汗を流している姿は、スポーツ科学員の私にとっても学ばせていただく点が多く、磯部さんにはこれからもずっとトップアスリートであり続けて欲しいと願っています。(スポーツ科学員 今川泰憲)

図1.磯部さんの「体力年齢・ロコモ度判定結果表」の一部

図2.磯部さんの脚筋力(膝関節伸展トルク)、骨量(音響的骨評価値)、柔軟性(長座位体前屈)の推移

左口尚之さん(79歳) 1年間の身体の通信簿!!
【2000年8月19日(SPS初回受診)/2017年7月1日(SPS18回目) 受診】

左口尚之さんは、約18年前の62歳のとき"五十肩"になり、知人から"町の整形外科に行くよりスポーツ医科学センターがいいよ"と勧められて当センターの整形外科を受診しました。そのとき、スポーツ版人間ドック(SPS)の存在を知り、SPSを初受診しました。
左口さんは、元来スポーツ好きで"何歳になっても卓球、ゴルフ、スキー、社交ダンスを楽しめれば"と思い、体力の現状把握と維持改善を目的にSPSを受診しました。 それ以降、現在に至るまで毎年SPSを受診し、今年で18回目になりました。
"SPSは、あたかも1年間の身体の通信簿をもらうような気分です"という左口さんは、62歳から79歳までの18年間で、脚筋力、柔軟性、骨量の衰えがまったくみられません。
見た目だけでなく、体力年齢や考え方も若々しい紳士です。

インクライン・レッグプレス(脚の筋力トレーニング)に取り組む左口尚之さんのご様子。

【写真:横浜市スポーツ医科学センタートレーニングルームにて撮影】

【左口 尚之 さんの手記から】 

『SPSに感謝!!』

私は、横須賀市在住の79歳の男性です。
ちょうど今から17年前、右肩がいわゆる"五十肩"になった折、友人から"町の整形に行くよりスポーツ医科学センターがいいよ"
とのアドバイスを貰ったおかげで当センターに通うことになり、その間にSPSの存在を知ることができました。
 元来、スポーツ好きで卓球・ゴルフ・スキー・社交ダンスなど下手の横好きなのですができれば何歳になっても楽しめればと思っていたので、 自分の体力のチェックと維持強化のためSPSを受け始めました。そして現在まで通算14回(途中1,2回受けましたが)を数えるまで受け続けています。
 SPSは多分、県下でもこれほど充実した内容で総合的な体力測定をしてくれる機関は他にはないのではないでしょうか。
 SPSを毎年続けて受けることで自身の体力上の弱点を熟知でき、かつ年々の変化を見ることでスポーツはもとより日々の生活習慣を見直すいい機会にすることが可能です。
 私は毎年一定時期に受けているのですが、それはあたかも"1年間の身体の通信簿"をもらうような気分です。少々不安なようで、実は楽しみのようでもあるのです。
 幸い今年も無事に受け終え、結果も上々でした。中でも"柔軟性"は20歳代との評価で少々出来過ぎの感はありますが、いよいよ来年は80歳に突入する私にとっては大きな励みになる結果でした。
 とにもかくにも、SPSを尻個々まで継続して受けてこれたことが私の晩年期の生き方に大きな恩恵を与えてくれたわけで、改めてSPSのシステムとそれを支えてくれている代々のスタッフの皆様に深く感謝する気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました。
平成29年7月14日

"一SPSファン"左口 尚之

【科学員から左口さんへのコメント】 

左口さんが初めてSPSを受診したとき(当時62歳)の脚筋力(膝関節伸展トルク)は、体重1kg当たり2.00N・m(ニュートン・メートル)で、これは体力年齢で評価すると68歳(実年齢+6歳)に相当する低いレベルでした。しかし、今年18回目となるSPSでは、体重1kg当たり2.14N・mを記録し、体力年齢では66歳(実年齢-13歳)の評価が得られました。これは、初受診時の測定値を上回る数値で、脚筋力の体力年齢は18年前の68歳より若返ったことになります(図1および図2参照)。 また、左口さんの骨量(音響的骨評価値:OSI)は、SPS初診時には年齢標準値を6%下回っていて"要指導レベル"(将来、骨粗鬆症になる可能性が高いレベル)でしたが、それ以降は減少することなく逆に増加を示し、今年の検査では年齢標準値を19%も上回るレベル(男性31歳相当)になっていました。これは、絶対値レベルで比較しても約13%骨量が増えたことになります。(図2参照)
左口さんは仕事を退職後、卓球、ゴルフ、スキー、社交ダンスなどを定期的に行なってきましたが、このような運動習慣の継続が左口さんの脚筋力や骨量の維持・改善に繋がったと考えられます。
左口さんに頂いた手記(下記、参照)に、"SPSはあたかも1年間の身体の通信簿"という表現がありますが、左口さんは、毎年この身体の通信簿をチェックしながら、常に向上心を持って取り組んでこられたのだと思います。
私は、左口さんの18年間に及ぶ身体の通信簿を拝見させていただき、SPS担当の一人としてその結果を嬉しく思うと同時に、左口さんを心から尊敬します。(スポーツ科学員 今川泰憲)

図1.左口さんの「体力年齢・ロコモ度判定結果表」

図2.左口さんの脚筋力(膝関節伸展トルク)、骨量(音響的骨評価値)、柔軟性(長座位体前屈)の推移

細谷 篤さんにご受診いただきました。【平成28年4月13日受診】

体力維持のために水泳がしたくて71 歳から当センター水泳教室に通うようになった細谷さん。平成13 年11 月にSPSを初めて受診して以降、毎年SPS を受診され今年で15回目の受診となりました。脚筋力(膝関節伸展トルク)の低下が気になる細谷さんですが、細谷さんの脚筋力年齢は、男性では60 歳、女性では20~30 歳レベルに相当し、見た目も体力も85 歳という年齢にはとても思えない細谷さんです。
【写真:脚伸展パワーの測定を受ける細谷さん】

【細谷篤さんの手記から】 

「来年のSPS までまた頑張ります」

 体力維持で水泳がしたくて水泳教室に来ているうちに、SPS が15 回目になりました。毎年受けていますので、体力測定の専門家の方々とも馴染みが出来まして、気楽に検査が受けられます。
 朝食抜きで、早く出て来るのはつらいですが、内科と体力の検査が一緒に出来て、結果がその日にわかるのが、SPS の大きな利点です。
 内科検査では採尿、採血、レントゲン、心電図等の一通りをして、医師の診察です。診察で首の動脈や心臓の弁の音を聴診器で診てもらえます。「問題なしです」と云われると、ほっとします。
 体力の検査では、筋力テストと自転車をこぐ持久力があります。脚の筋力テストでは腰を機械に固定して、脚を伸ばしたり、引いたり、全力でします。もう少し頑張って、と云われて、頑張るのですが、去年のデータに達していません。
 検査がすべて終わると、検査データが渡されます。要注意の項目があると、内科なら医師から、体力とか栄養であればその専門家から、個別の説明があります。
 私の場合、脚の筋力はグラフを見ると、少しずつ、下がる傾向が見えて、残念な気もしますが、筋力を使わない項目で、変化のないものもあるのが慰めになります。80 才をオーバーでは、受け入れねばなりません。
 腰痛防止で腰の筋肉を強化したいと思っていますので、専門家にたずねます。普段、気軽に出来る筋肉のトレーニングをいろいろと指導して頂けるので有難いです。筋肉の自己トレーニングで次のSPS まで、また頑張ります。

~県外からの受診者特集②~

大阪府高槻市からお越しいただきました 鈴木 智子さん【平成27年9月24日受診】

 学生時代は体力測定があり自分の身体能力を知ることができましたが、社会人になるとそのような機会や場所がありませんでした。10年以上通っているジムでの運動の効果が出ているのかどうか知りたいと思っていたところ、当センターホームページで「スポーツ版人間ドック(SPS)」のことを知り受診されました。
【写真:スポーツ科学員から測定結果の説明を受ける鈴木さんの様子。生き生きとした笑顔がとても印象的な鈴木さんでした。】

【鈴木 智子さんからいただいた体験談】 

「SPSに参加して」

 今回SPSを受けてみようと思った理由から・・・。
学生時代には体力測定があり、自分の身体能力を知ることができました。ただ、社会人になるとそのような機会がなく、自分が今やっている運動は本当に効果が出ているのかどうかを知ることができません。現在それほどトレーニングをしている訳ではありません。
 けれども、スポーツジムに10年以上通っているので、何もしていない人よりは良いのではないかと思ってはいますが、思い込みかもしれません。そこで大阪からは遠いのですが、一度SPSを受けてみようと思いました。
 受けてみて感じたことは、もう少し項目が多くても良いかな~ということです。腹筋力・背筋力・脚の内転筋力など、もっと細かくいろいろ知りたいと思いました。ただ、限られた時間の中で項目を増やすことは難しいことなんだろうな・・・とは思います。
 ありがたいのは、その日のうちに結果を出して説明をしていただけることです。今回は、かなり褒めていただき、気分よく帰ることができました。大阪からは、時間とお金がかかりますが、現状維持ができているか? また、今回ダメだった項目が少しでも改善されているか? を知るため、また受けにきたいな~って思いました。

~県外からの受診者特集①~

岐阜県飛騨市からお越しいただきました 清水 貢さん【平成27年9月26日受診】

 健康運動指導士を目指している清水さん。55歳を迎えたことを機に地元岐阜県で人間ドックと脳ドックを受けましたが、身体能力を測る検査はありませんでした。業務関連の研修で横浜市スポーツ医科学センターを訪れたとき「スポーツ版人間ドック(SPS)」の存在を知り、自身の体力を知りたいと受診されました。近々、フルマラソンにも初挑戦したいとのお話でした。
【写真:長座位体前屈(柔軟性)の測定を受ける清水さんの様子。健康運動指導士を目指しているという清水さん。脚筋力、全身持久力、柔軟性などの体力バランスに優れていました。】

【清水 貢さんからいただいた体験談】 

「来年も岐阜からSPSを受けに来ます!」

 今年55歳を迎え、地元岐阜県の病院で一般人間ドックと脳ドックを受診しました。当然ですが、身体能力や筋力を測る検査は特にありませんでした。この夏、業務関係の研修で横浜市スポーツ医科学センターを訪れたとき、「スポーツ版人間ドック(SPS)」の存在を知り、早速申し込みをしたところ県外者であるにも関わらず快く受診させてもらいました。  医学的検査の後、エアロバイクを漕ぎながら心電図検査を行なう運動負荷試験、全身反応時間やバランス測定など全8項目にわたる体力測定へと進みました。筋肉量・筋力・瞬発力・敏捷性・柔軟性・全身持久力・バランス能力・歩行能力といった言葉では聞いたことはあっても具体的に数字で示され、項目毎の体力年齢が20歳代もあれば80歳代もあるなど、驚きの結果が個人カルテで渡されました。
 午後からは、医師・管理栄養士や担当されたスポーツ科学員の皆さんから医学検査結果の所見とアドバイス、体力測定結果説明とアドバイス、生活・栄養アドバイスと懇切丁寧に説明があり、運動指導や適したプログラムの提案がありました。
 私は、今年初めてフルマラソンに挑戦することもあり、42.195キロを完走する走り方を指導していただきました。こうした診断結果のフォローはSPSならではのことと感じています。
 これからも年に一度はSPSを受診するため、岐阜県から通わせていただきます!!

柳下利男さんにご受診いただきました。【平成27年2月20日受診】

 平成10年に初めてSPSを受診し、今回で合計17回目の受診となる柳下さん。最初は当センターの水泳教室に通うために義務的にSPSを受けていたという柳下さんですが、今は体力の現状維持を心がけ、SPSを毎年受けたいと思ってくださっています。
【写真:太ももの前と後ろの筋力を測定している柳下さん。柳下さんが最初にSPSを受けたときの骨量(骨密度)は、年齢平均を大きく下回っていましたが、現在では年齢平均を上回るレベルまで増加しました。】

【柳下利男さんの手記から】

「スポーツ医科学センターSPSとの出会い」

 SPSとの出会いは、小生が厄年の42歳の時、家内と健康のために何か運動を始めようと横浜国際総合競技場内にあるスポーツ医科学センターの案内パンフレットを見て、水泳教室に通い始めた時からです。
 教室に通う生徒は、教室を継続するのに年に一度SPSを受ける必要があります。当初はそのためだけに受けていましたが、数年が経つと自分の体力変化が年ごとに観察できることの重要性が感じられるようになりました。初めは骨密度が平均値以下でしたが、運動を続けることにより、現在では平均値以上になりました。
 自分の体力を毎年測定することで、どこの筋肉が衰え始めているのか、また、衰えた筋肉を鍛えるためにはどうすれば良いのか、先生方の適切なアドバイスが受けられるのも魅力です。
 一度だけ測定するのではなく、できれば毎年受け続け、自分の体力の変化を把握することをお勧めします。
 今年還暦を迎えSPSは17回目となりましたが、年齢を考えますと体力向上より、体力の現状維持を心がけSPSを毎年受けたいと思います。
 これこそ継続は力なりですね・・・

峰田正隆さんにご受診いただきました。【平成27年2月19日受診】

 平成18年にSPSを初受診し、今回で合計9回目の受診となる峰田さん。62歳でトライアスロンを始め、80歳になるまでトライアスロンを楽しみたいとのこと。脚筋力、全身持久力、柔軟性、敏捷性などは成人男子の20歳代のレベルを維持しているスーパーマンです。
【写真:太ももの前と後ろの筋力(膝関節伸展トルクおよび屈曲トルク)を測定している峰田さん。峰田さんの太ももの筋力は、前側も後ろ側も成人男子の20歳平均値に相当します。】

【峰田正隆さんの手記から】

「横浜市スポーツ医科学センター」のSPSを受けて

 SPSは平成26年度で9回目になります。
<受診のきっかけ>
きっかけは62歳でトライアスロンを始めた事です。当初は自己流で練習をしていましたが、やはり水泳、自転車、マラソンなど各種目専門の指導者につくべきだと気づき、それぞれのクラブに入会しました。
<利用目的>
徐々に力をつけ大会に出るようになりましたが、距離が長い大会(水泳3.8km、自転車180km、マラソン42.195km)になるほど、それに見合った身体づくりをしなければ「ついて」いけなくなりました。
 横浜市スポーツ医科学センターのSPSは、健康診断・体力測定・栄養診断などのデータを基に総合判定をしてくれることが分かりお願いするようになりました。
<診断効果>
 診断結果は、その年の改善目標になります。分析された数値の改善のためにスポーツドクター・スポーツ科学員・管理栄養士の各スタッフがそれぞれの分野で適切なアドバイスをしてくださいました。皆様のお陰でトライアスロンに必要な体力を維持し、10年目(今年72歳)を迎えることが出来たのです。スタッフの皆様には大変感謝しています。
<今後は>
 当分(80歳ぐらいまで)トライアスロンを楽しみたいと思いますが、体力の衰えをカバーするために、これからもSPSの手助けをお願いしたいと思います。

志澤典子さんにご受診いただきました。【平成26年12月4日受診】

 平成17年にSPSを初受診し、今回で合計10回目の受診となる志澤さん。登山、ヨガ、自宅での筋力トレーニング、ストレッチングなどの運動習慣があり、70歳代になった現在も20歳のときの体重を維持しています。90歳になっても山に登ることを目標に頑張っています。
【写真:気になる骨量の測定を受ける志澤さん】

【志澤典子さんの手記から】

「SPSを受けて 」

 SPSを受けたきっかけは、秋の港北ふれあい祭りで"スポーツ版人間ドッグ"を主治医に相談、受診してみてはと言われ、受診料も半額になる年齢だったので受診しました。そして、今回で10回目になりました。
 SPSを受けたきっかけは、秋の港北ふれあい祭りで"スポーツ版人間ドッグ"を主治医に相談、受診してみてはと言われ、受診料も半額になる年齢だったので受診しました。そして、今回で10回目になりました。
 主治医からテニス、ジョギング、マラソンを禁止されましたが登山はOK、街歩きは苦手ですが山に入ると体調が良くなるので、月に1~3回山に入ります(低山が多い)。そのために、スポーツジムへ多いときは週3~5回、少ないときは1~2回通っています。時間は30分~1時間程度で、それ以上はやりません。
 SPSを年1回受け、体力の測定結果が低い部分については、どんな運動をどのぐらい行なえばよいのか等の指導を受けています。膝を痛めてしまい、年齢とともに筋力が低下していくことも覚悟していますが、体力測定の結果は年齢平均より下がっておらず、いまも登山を続けています。
 SPSでは食事・栄養面に関する診断もあり、食事内容について細かい指導を受け、体重、体脂肪率はここ10年でほとんど変化がありません。付き合いなどで食べ過ぎた後も3~4日で元へ戻すことができるようになっています。
 現在、整形外科で骨粗しょう症の治療と腰痛のリハビリテーションを受けていますが、少しでも体力、筋力の低下を遅らせて、山へ入りたいと思っています。
 ある日、高尾山で身体が小さいお爺さんが、バスを降りて登り始めたので、"登りですか?"と尋ねたら、月に1~2回一人で登っている、92歳とのことでした
 私も生きていたら、そのぐらいまで登りたい(希望)、そのためには年に1回のチェック、SPS受診を続けたいと思っています。職員の皆様、宜しくお願い致します。。

金子茂男さんにご受診いただきました。【平成26年11月20日受診】

 平成11年にSPSを初受診。その後、毎年SPSを受診され今回で16回目となる金子さん。SPS初受診後は、趣味の山歩きや当センターのトレーニングルーム個人利用で体力の維持・増進に努めてきました。
【写真:全身反応時間(敏捷性)の測定で集中する金子さん。金子さんは、20歳の男子平均よりも素早い反応ができます。】

【金子茂男さんの手記から】

「毎年SPS検査を受けています 」

 毎年秋にSPS検査を受診し、今年で連続16回となりました。50歳を迎えた年に加齢と運動不足による体力の低下を感じ、前年にできたばかりの医科学センターのトレーニングルームで筋力などの体力向上を図ろうと考え、事前にSPS検査を受診したのがきっかけでした。
 各種の体力テストの他に血液検査などさまざまな健康診断もあり、受けてよかったと非常に満足しました。以後、トレーニングルームにはほぼ毎週のように通い、トレーニングルームの運動メニューを参考にしながら体づくりに努め、現在でも同年齢層の体力平均を上回る結果が得られており、趣味の山歩きなどにその効果が十分に発揮できていると実感しています。
 最近は病気のためトレーニングルームにはご無沙汰していますが、日常的な運動や体のケアなどにSPSの検査結果がとても参考となっています。体のチェックのためには、私にとっては欠かせないものとなっています。毎回熱心に指導・助言をしてくださるスタッフの方に勧められて今回投稿しました。

田張恵子さんにご受診いただきました。【平成26年11月19日受診】

 平成12年にSPSを初受診し、今回で合計13回目の受診となる田張さん。SPS初受診後に水泳教室に入会、最初は息継ぎができず12.5mしか泳げなかった田張さんですが、現在は水泳のマスターズ大会で大活躍しています。
【写真:マスターズ水泳の競技力アップを目標にトレーニングルームで筋トレを行なう様子。
 田張さんは、下半身の筋力(膝関節伸展/屈曲トルク)、脚伸展パワー、全身持久力、柔軟性、全身反応時間、片脚立ちバランスの全ての測定項目で、20歳代の体力を維持しています。】

【田張恵子さんの手記から】

「SPS受診の効果」

 私が最初にSPSを受診したのは、左膝前十字靱帯再建術を受けるにあたり、整形外科の先生から、「手術前に筋肉を鍛えることで術後の回復が早くなる」と言われ、プール(水泳)教室に通うためでした。しかし、SPSのトレーニング相談で、"筋肉をつけるには、トレーニングジム(トレーニングルームの教室)も行った方が良い"とのアドバイスを頂き、両方の教室に入ることにしました。
 術後も教室は続け、息継ぎが出来ず12.5mしか泳げなかった水泳もマスターズ大会に出場するまでになり、教室の先生方の熱心なご指導のおかげだと思っています。ジムの先生は、SPSの結果をもとに、また水泳のことも考えてくださり、弱いところ、強化すべきところを踏まえて、メニューを作成してくださいました。
 数年前に教室を受けられる数が制限されたため、ジムの教室は諦めてしまいましたが、去年のSPSで脚(大腿部)の筋力が落ちているとの指摘を頂き、個人利用でトレーニングルームでの運動を再開しました。
 今年でSPSも13回目と聞き、医学的検査と体力測定終了後の丁寧な運動アドバイス、栄養指導等があるおかげで、その都度目標ができて続けて来られたと思います。いつかは、体力測定検査の5段階評価がオール5にならないかとひそかな目標を抱いて、SPSの受診を続けて行きたいと思います。

小川登さんにご受診いただきました。【平成26年11月19日受診】

 小川さんは、 平成13年にSPSを初受診、以降14年間連続でSPSを受診されています。SPS初受診後に当センタートレーニングルームのスポーツ教室(ウェルラウンド教室)にも入会され、現在に至っています。
【写真:ウェルラウンド教室で下半身の筋トレを行っている様子】

【小川登さんの手記から】 

「スポーツ教室に参加した感想」

 スポーツ教室に参加して13年になります。現役の頃は,仕事が忙しく運動には無縁で、時々仕事の延長でゴルフを行なう程度でした。ゴルフ仲間の中では最も体力がなく、年を重ねるごとに体重は増え、足腰が痛むことも時々あり、体力の衰えを自覚するようになっていました。
 仕事にも時間的余裕ができ、家族の勧めで2001年に当時の有酸素運動中心のファットバーン教室に参加しました。最初の頃は運動が辛く負担に感じていましたが、指導員との雑談を交えた明るい会話と理論的な体力づくりの指導を受けて徐々に効果が現われるようになり、現在までスポーツ教室(現ウェルラウンド教室)を続けることができたと思います。  毎年受けるSPSでは、健診と体力測定結果から医師とスポーツ科学員による適切なアドバイスを受け、ウォーキングも習慣となり足腰の衰えもほとんどなく、10年前の体力は維持できているものと思っています。
 現在77歳になりますが、同年代のゴルフ仲間とは体力が逆転しております。足腰の衰えや痛みも感じず運動が楽しくなり、体力に自信を持って教室の仲間と年に数回、丹沢や秩父など近郊の山歩きも行っております。山歩きの仲間には80歳を超えた人もおります。体力を維持するには無理をせず、楽しく運動を続けることが何よりも大切だと感じております。  しかし、運動により体重は一時4kgほど減少しましたが、油断をしていると戻るのは一瞬で、運動のみによる体重を下げる難しさを感じているところでもあります。

井上静子さんにご受診いただきました。【平成26年10月24日受診】

井上さんは、 平成19年にSPSを初受診し、合計8回目のご受診です。
【写真:開眼片脚立ちに挑戦している様子】

【井上静子さんの手記から】

「SPSを受診してみて」

横浜市スポーツ医科学センターの内科に通院していた頃、SPSって書いてあるけど一体なんだろうと尋ねたら、私にも受けることが出来ると言われ"おそる おそる"受けてみることにしました。
 その頃は、運動によって体が変わってくることなど全くわかりませんでした。そして、一度試しにという軽い気持ちで受けてみました。
 自分の運動能力、内科検診、栄養状態を丁寧に説明してくださり、次の目標もでき、それからは楽しみにしながら毎年受診しています。お蔭様で年を重ねた今でも体力、健康を維持できています。

杉浦重剛さん・杉浦良子さんご夫婦にご受診いただきました。【平成26年10月10日受診】

松浦さまご夫婦は、今回で6年連続6回目のご受診です。
【写真:スポーツ科学員とトレーニング相談中の様子】

【杉浦重剛さんの手記から】

「6年間SPSを受診して "私と妻がSPSを受診するに至った経過について"」

私と妻は、約8年前に神奈川区役所が主催した健康教室に参加し、そのときのカリキュラムの中に体力測定がありました。神奈川地区センターで体力測定が行われたときに、妻の側わん症と私の左手の異常が見つかり、"一度、新横浜のスポーツ医科学センターのリハビリテーションを受けてみては?"と、当時横浜市スポーツ医科学センター健康科学課長だった藤牧利昭氏に勧められ、同センターのリハビリテーションを受けました。
 リハビリを受けてある程度まで良くなって来ましたが、今後も運動を継続するように勧められ、私は医学的運動療法(MEC)のアリーナコース、妻はプールコースに参加することになりました。
 そして、その効果を検証するために6年前より毎年SPSを受診して、前回のデータと比較し、これからの目標を妻と相談し、各々の目標を設定しています。今後の健康や生活を維持するためにも、また、健康や生きがいの目標としても毎週参加のMECと年に一度のSPSを継続して受診していきたいと思います。

港南スポーツセンター 山崎さんが体験しました。

どのようなことをするのかドキドキしながら、さまざまな器具を使って、測定してきました。全身反応時間を測るものから、持久力を測るものまでさまざまな体力測定がありました。ちなみに、左の写真は、瞬発力を測定するものでした。
 ただの体力測定や健康診断だけではなかなかわからない、持久力や膝関節の筋肉量、骨密度など、細かな部分まで知ることが出来、とても良い体験となりました。また、結果から、自分にはどのようなトレーニングが必要なのかということもわかり、やる気も倍増です!!
 みなさんもぜひ、今まで知らなかったご自分の体のことを知ってみてはいかがでしょうか!嬉しい意外な発見があるかもしれませんよ♪