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リハビリ室コラム/Rehabilitation Column

『日本スポーツ整形外科学会(JSOA)2023』 参加記
平山公佑(理学療法士)

2023年6月29日から7月1日まで、広島で開催されました「日本スポーツ整形外科学会2023」に参加してきました。本学会は、今まで長年にわたり整形外科スポーツ医学分野に多大な貢献をされてきた日本整形外科スポーツ医学会(JOSSM)と日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会(JOSKAS)から発展的に再構築された新しい学会です。

当センターから清水医師と理学療法士4名(唄、平山、大井、佐野)が参加しました。
清水医師と唄理学療法士、藤堂理学療法士は、以下の内容をポスターにて発表しましたのでご報告いたします。

清水医師:「細い二つ折りST腱を用いたACL補強再建術-アスリートにおける短期成績」
ACL補強再建には採取腱を4つ折りにした補強再建方法と2つ折りにした補強再建方法がある。当院では2つ折りを採用しており補強再建方法による差を検討した。当院で採用している2つ折り補強再建でも、腱の成熟度並びに前方制動性に有意差はなくアスリートにも適用できる手術であることが示唆された。

唄理学療法士:「両側同時膝前十字靭帯再建術・内側半月後根修復術後にマラソン復帰を目指す全盲ランナー」
全盲であり視覚フィードバックによる動作獲得は困難だったが、表在感覚や固有感覚に対してアプローチした。全盲患者・両側同時再建例であったが、本人の復帰モチベーションが高く、通常のプロトコルに沿った理学療法が可能であり、健常人と大きな差異なくスポーツ復帰を目標にできることが示唆された。

藤堂理学療法士:「ゴールボール日本代表強化指定選手の外傷・障害に関する疫学的研究」
Osloの質問表を用いてゴールボール日本代表強化指定選手の外傷・障害発生状況を調査した。全体の約半数の選手が外傷・障害を有していることが明らかとなった。部位別の保有率では上肢の外傷・障害が多くゴールボールの競技特性による影響が考えられた。

私個人としましては、当センタースタッフの発表や各分野に精通した先生方の研究発表、シンポジウムを拝聴できたことで、刺激と感銘を受けました。改めて学びを深めていくと共に、診療に還元できるよう日々研鑽してまいります。

本学会に参加しました、大井理学療法士、佐野理学療法士からコメントは以下の通りです。

リハビリテーションの枠を超えて術式やメディカルチェックなど、幅広い分野の研究に触れることが出来ました。ポスター発表では、興味のある分野に関する最新の研究が報告されており、とても良い刺激となりました。自分なりに今回の経験を噛み砕いて、吸収し、診療や研究に活かしていきたいと考えています。(大井理学療法士)

招待講演ではサッカー日本代表監督の森保一監督や、青山学院大学陸上競技部監督の原晋監督の講演もあり、興味深い研究の数々に加え、プロスポーツの最前線での話や組織論など多くの話を聞くことができました。その中でも特に拡散型圧力波治療(RPWT)についての発表が印象的であり、肉離れへの治療も期待されている事実には感心しました。エビデンスに乏しいところもあり臨床的にどのように還元できるかを考えながら更なる研究が必要だと感じました。今学会参加で得た知識と経験により、さまざまな運動器疾患への理解を深めることができたため、日々の診療に活かしてまいります。(佐野理学療法士)

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