日本成長学会(The Japanese Association for Human Auxology)参加記
2024年10月19日(土)、札幌の北海道大学学術交流会館で「第35回日本成長学会学術集会」が開催されました。日本成長学会(The Japanese Association for Human Auxology)は、人間の成長および発育・発達について国際的な視野から研究し、日本において成長学を確立、発展させることを目的としています。Auxology(成長学)は、解剖学、人類学、教育学、動物学、小児科学など様々な分野に関係した領域であり、各分野からの研究者で構成されています。
次回も来年の同時期に日本スポーツ理学療法学会は開催されます。本学会は、我々が専門とする領域の学会です。来年度も日頃の診療や、地域での取り組みに活かすことの出来る内容の演題を当センターから多く発表できればと思います。
「小学校高学年の肘外側上顆骨端線ステージと Peak height velocity の関連」について発表を行いました。
最大身長増加速度年齢 (PHVA) は発育スパートを迎える年齢をさし、子どもの発育発達を観察する上で重要な指標のひとつです。PHVAの評価法の一つである骨成熟は、超音波画像装置 (エコー) を用いることが多くなってきています。そこで、本研究は、エコー画像による肘外側上顆骨端線とPHVAの関連を明らかにすることを目的として実施しました。本研究により、肘外側上顆の骨成熟をエコーにて観察することができ、骨端線の閉鎖がPHVA付近に達する可能性があるという初めての見解を示すことができました。
口述での発表は初めてでしたが、様々な分野の先生方から貴重なご意見をいただくことができ、とても学びの深い時間となりました。また本発表は、若手優秀演題賞をいただくことができました。さらに、他分野の研究を聴講したことで新たな知見を得ることができ、自身の研究や診療に活かせるような発見もありました。今後も積極的に知見を深め、皆様の力になれるよう精進して参りたいと思います。