第51回日本理学療法学術大会 参加記
『第51 回日本理学療法学術大会』が5 月27~29 日の3 日間に渡り、札幌コンベンションセンターと札幌市産業振興センターにて開催されました。本学会は年に一度、日本理学療法士協会主催で開催されているものであり、今回の学会テーマは『理学療法学のアイデンティティ -基盤と分科-』でした。
理学療法には専門分野がいくつか存在しており、当センターでの整形外科疾患に対する理学療法の他に、脳卒中など中枢神経疾患に対する理学療法、呼吸・循環器疾患に対する理学療法など様々です。今年は、一般演題として口述とポスター合わせて1754 演題の発表が行われ、参加者は各々の専門としている分野の発表を聴講していました。
その中でも、スポーツ選手に対する理学療法に携わっている我々にとっての大きな関心事である、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会についてのシンポジウムが行われ、とても興味深く聴講しました。「東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて」と「スポーツ理学療法世界基準への到達、そこからの展開」では、スポーツ理学療法の第一線で活躍されている先生方が講演され、開催国である日本の理学療法士が、世界中から来日するオリンピック・パラリンピック選手たちを受け入れるためには、グローバルスタンダードの知識や技術が必要であり、さらには語学力も重要であるという内容でした。4 年後の開催に向け、そして今後のスポーツ理学療法においてしっかりとした準備と人材の育成が必要不可欠であると感じました。
当センターリハビリテーション科からは、玉置龍也が発表を行いましたので、簡単にご紹介します。
玉置龍也 「スポーツ傷害に対する物理療法と運動療法の実践」
当センターでのリハビリテーションでも色々な物理療法機器を使用していますが、物理療法の適応を理解して運動療法と組み合わせることで、より高い治療効果が得られるため、うまく活用していくべきであるという教育的な内容の講演でした。外傷直後の患部の治癒や二次的に機能が低下した部位への対応など、物理療法の適応は幅広いため、効果を理解し治療の中で積極的に活用していこうと改めて感じました。発表後は会場からも質問が寄せられ、参加者の興味を引く内容の発表となりました。
今回は、初夏の北海道での開催という事で、とても過ごしやすく清々しい気候でしたが、会場内は熱い雰囲気でとても充実した学会でした。来年はぜひ、発表者として参加したいと思います。