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リハビリ室コラム / Rehabilitation Column

オスグッド病のリハビリテーション リハビリテーション科 木村 佑(理学療法士)

 オスグッド病は、小学校高学年~中学生年代の成長期に好発するスポーツ障害です。サッカーやバスケットボールなど、ジャンプやストップ動作を繰り返し行うスポーツで多く発症します。膝前面の痛みが特徴的で、ジャンプやランニングの接地時や膝が深く曲がった時、患部を押した時に痛みが生じます。

保護者やスポーツの指導者の中には、成長痛だから仕方がないと問題を軽視し、痛みを抱えたままスポーツを続けてしまうケースも多くみられます。しかし、実際には、骨の発育の程度により、治療をしながらスポーツを行っても良いケースと、患部を治癒させるまではスポーツを完全に休まなくてはならないケースがあります。オスグッド病をはじめとした成長期の骨軟骨の問題は、判断を誤ると長期の運動休止や外科的な治療が必要となる場合もあるため、早期に発見し、適切な治療を受けることが大切です。当院では、オスグッド病の治療をより正確に行うために、レントゲン検査のみではなく、必要に応じて超音波診断装置を用いた検査も行っています。

オスグッド病は下肢の筋肉の柔軟性低下や筋力の不均衡が関係しているといわれています。そこで、リハビリテーションは、(1)適切な休養、(2)柔軟性改善のリハビリ、(3)筋力トレーニング、(4)動作改善の順で進行していきます。

(1)適切な休養

 症状の程度や骨の発育の過程を考慮しながら、適切な休養を取ります。

(2)柔軟性改善のリハビリ

 成長期には急激に身長が伸びるために筋肉の柔軟性が低下してしまうことがよくみられます。オスグッド病の疼痛部位は太もも前面の筋肉の付着部と一致するため、太もも前面の筋肉の柔軟性を向上させることが重要となります。また、動作を改善させるためには、骨盤や足首の柔軟性にもアプローチする必要があります。

(3)筋力トレーニング

 太もも前面の筋肉の不均衡や太もも後面の筋力不足により、膝前面へのストレスが増大するため、太もも前面および後面の筋力トレーニングを積極的に行います。

(4)動作改善

 後方重心になることで太もも前面の筋肉および膝前面に負担のかかる動作となってしまいます。スポーツに復帰するにあたっては、骨盤をしっかりと前に倒し前方重心を導く動作や、太もも後面の筋活動を意識した動作を練習します。