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ウォーキングの科学

自分の歩き方をチェックしよう!

                                  健康科学課  小野 宣喜(スポーツ科学員)

 

近頃は、健康に興味を持つ方が多くなったせいでしょうか、街中や公園などでウォーキングをしている人をよく見かけるようになりました。公益財団法人横浜市体育協会が公表している「平成25年度横浜市民スポーツ意識調査報告書 概要版」によれば、男女ともに今後実施したい種目1位が「散歩・ウォーキング」であるほど関心が高いようです。しかし、健康のために行っているウォーキングが膝や腰の痛みを引き起こしてしまう可能性もあります。筋力低下などにより姿勢が崩れていることに気付かないことも多いのです。特に歩くという動作は、ほとんどの人が意識せずに行っています。そして、「姿勢」や「歩行」を誰かに教わることや、評価・測定する機会が少ないのが現実ではないでしょうか?
 そこで今回は、「姿勢」や「歩き方」のチェックをしてみましょう。


1.立位姿勢の確認

 まず始めに鏡の前や写真などでご自分の立位姿勢を確認してみましょう。
 体を正面から見た時、肩・腰(骨盤)・膝の位置(向き)が左右で違っていませんか?
 体を横から見た時、首・肩・お腹が前後に出ていませんか?
 自分の体(体重)を両足でしっかり支えていますか?片脚荷重や、前後左右に偏っていませんか?


 姿勢が崩れると首、肩、腰、膝、足首など関連する関節の一部に負担をかけることになり、動きにくさや痛みを引き起こす原因となることがあります。これから運動する方も、既にされている方も、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。


2.歩行姿勢の確認をしましょう!

 皆さんは、自分の歩き方を確認したことがありますか?横浜市スポーツ医科学センターでもロコモ予防教室を行っていますが、教室参加の目的として「歩き方を知りたい」などの回答が多いです。その理由として以下のことが書かれています。
  • 知人に「歩き方が変だよ」と言われたから
  • 歩くと膝に痛みが出やすくなったから
  • 外出時に周りの人より歩くスピードが遅くなった気がするから
  • 歩行時のふらつきや転倒の恐れが出てきたから








 そこで、次は自分の歩き姿勢を確認してみましょう。立位姿勢と同じように鏡の前や写真などで確認すると分かりやすいと思います。立位姿勢から、片脚を一歩前に踏み出した姿勢は、下記の図のようになっていますか。コメントを参考にチェックしてみましょう。


 この図に書かれていることは、衝撃を吸収し、安定した体重移動を行うために重要なポイントとなります。衝撃を上手く吸収できないと日々繰り返される歩行により膝、腰、足首に痛みが現れる可能性が高くなります。
 例えば、一歩前に出した足が地面に接地している時、爪先が外を向き膝が内側に入っている人は(写真A)、膝が痛くなる可能性が高くなります。それは、着地の衝撃などの力が膝の内側に大きな負担を与えることになるからです。
 写真Bと写真Cを比べてみると、写真Cのように着地時に膝が曲がると、重心が下がり体の上下動が大きくなります。この歩き方は、大腿前面(太腿の前)の筋力をより強く使つかうことで、特に膝関節に大きな負担がかかります。更に股関節や膝関節にグッと力を入れてブレーキをかける歩き方になり、体を前方に進めるには不効率です。
 また、歩行時の姿勢では、写真Dのように胸を張れず猫背(円背)や腰を反りお腹が前にでるような姿勢の人は腰に大きな負担がかかります。
 地面への接地の仕方や姿勢の崩れは、関節に負担をかけるだけではなく、歩幅の減少や速度の低下の原因にもなり、効率の良い歩行とは言えなくなります。散歩やウォーキングを長く続けるためや痛みなどを予防するためにも一度歩く姿勢をチェックしてみましょう。





【参考資料】
 公益財団法人 横浜市体育協会 「平成25年度横浜市民スポーツ意識調査報告書 概要版」