日本臨床スポーツ医学会はスポーツ・健康医学の教育講演や研究発表を行う場であり、我々にとって重要な学会のひとつです。 毎年11月に開催され、本年度は千葉県の幕張メッセで19回目を迎えました。天候にも恵まれた1、2日の両日で内科医、整形外科医、理学療法士などを中心として1600人を超える学会員が集いました。
学会メインテーマは「予防としてのスポーツ医学」でした。海外招待講演4、教育講演6、シンポジウム8、一般演題311から構成され、会場は人で溢れており盛会でした。
スポーツ医科学センターからは4題の一般演題
を報告しました。シンポジウムのひとつに「メタボリックシンドローム対策における最近の動向」がありました。今年度から特定健診が始まったこともあり、皆さんにも興味深いと思いますので以下に主な内容を箇条書きで紹介します。
1.内臓脂肪の蓄積はメタボリックシンドロームの中核的構成因子である。
2.体重10%の減少は内臓脂肪30%の減少に相当する。
3.内臓脂肪の減少は方法として、運動VS食事で差がなく、エネルギーの減少に依存する。
4.内臓脂肪の減少は血糖値、中性脂肪、血圧を下げる。
5.運動は中性脂肪を下げ、HDLコレステロール(善玉)を上げる。
6.LDLコレステロール(悪玉)を下げるには体重を減らすことが必要である。
来年の20回大会は神戸で開催されます。スポーツ・健康医学の先駆的施設であるスポーツ医科学センターはこの学会と共に成長していきたいものです。