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体脂肪
性別標準 軽度肥満 中等度肥満 重度肥満 男性 10~19% 20% 25% 30%以上 女性(15歳以上) 20~29% 30% 35% 40%以上
対 象 者: 40歳女性(徒歩で通勤している以外は、あまり運動やスポーツを行なっていない) 減量の目標: 2kgの体脂肪を減量する 減量の期間: 2ヶ月間(90日) 主な運動 : ウォーキング |
・ 体脂肪1gは約7.2kcal(体脂肪1g≒7.2kcal) ※ 減量の方法 ※ウォーキング以外の身体活動やスポーツでの消費カロリーについて ※運動実施の考え方 |
減量を成功さるためには、減量の計画の中に効果的な運動を適切に取り入れることが重要です。
さて、効果的な運動とは何でしょうか?それは、個人にあった有酸素運動と筋力トレーニングを計画的に実施することです。
■有酸素運動の種目
脂肪を燃焼させるには、ある程度長い間継続して行なう有酸素運動が不可欠です。有酸素運動には、エアロバイク、ウォーキング、ジョギング、エアロビクスダンス、水中ウォーキング、水泳などがあります。各種目の運動の特徴は以下のとおりです。
種目 | 運動の特徴 |
---|---|
エアロバイク | 天候に左右されずに行なうことができる。膝・腰への負担は軽い。 |
ウォーキング | 手軽に行なえる。膝・腰への負担はあまり大きくない。 |
ジョギング | 消費カロリーが高い。走るスピードがあがると膝・腰への負担は大きくなる。 |
エアロビクスダンス | 消費カロリーが高い。膝・腰への負担は大きい。 |
水中ウォーキング | 陸上のウォーキングより膝への負担が軽い。 |
水泳 | 消費カロリーが高い。泳ぐスピードがあがると肩・腰の負担が大きくなる。 |
■有酸素運動の強度と時間と頻度
1.有酸素運動の強度を決める方法
(1)目標心拍数で強度を決める
有酸素運動時の運動強度は、個人にあった心拍数を計算式で求める方法があります。
まず自分の最大心拍数を下の式から推測してみましょう。
※最大心拍数とは、心拍数がもっとも速くなった1分間あたりの拍動数です。
通常、最大心拍数は220-暦年齢であらわします。
最大心拍数 = 220 - 年齢
最大心拍数を計算したら、さらに下の式に当てはめて目標心拍数を求めてみましょう。
※目標心拍数は、運動時の脂肪燃焼効率がよい心拍数といわれている最大心拍数の50~70%に設定します。有酸素運動は、この目標心拍数の範囲で行ないます。
目標心拍数=(最大心拍数-安静時心拍数)×0.5~0.7+安静時心拍数
※スポーツ医科学センターで実施しているSPS(スポーツプログラムサービス)では運動負荷テストにより、個人にあった目標心拍数を内科医師が処方してく
(2)自覚的運動強度(RPE)で強度を決める
有酸素運動を行っているときの自分の自覚で運動強度を決めていく方法です。
右の表にある自覚のレベルうち12「やや楽」?13「ややきつい」と感じる強度で有酸素運動を行なうことで効果を得ることができます。
自覚運動強度(RPE)の目安 | |
---|---|
20 | もうだめ |
19 | 非常にきつい |
18 | |
17 | かなりきつい |
16 | |
15 | きつい |
14 | |
13 | ややきつい |
12 | やや楽 |
11 | 楽に感じる |
10 | |
9 | かなり楽に感じる |
8 | |
7 | 非常に楽に感じる |
6 |
1.有酸素運動の時間
一般的に有酸素運動は、20分以上行うと効果を得ることができると考えられています。まずは20分程度からはじめて、がんばりすぎずに徐々に時間を増やしていきましょう。
また、一日で消費するカロリー量を決めておいて、それを消費する時間を目標にする方法もあります。
例えば1ヶ月に体脂肪1kgを減少しようとする場合、7,200kcalのカロリーを消費しなければならないため、1日平均約300kaclの消費が必要になります。以前にもこのホームページで紹介しましたが、100kcalを消費する時間は、ウォーキングで20分から30分、ランニングでは10分程度になります。
2.有酸素運動の頻度
減量にとって有酸素運動は身体に無理なく毎日行うことが効果的です。今までに運動習慣がない人は、まず1日おきの週に3日程度からはじめましょう。もちろん疲れがあるときや、体調が思わしくないときは休むようにしてください。
また、有酸素運動の実施頻度を増やすときは、しばらくの間は1回の強度をすこし下げて行なってください。
種目 | トレーニングの特徴 |
---|---|
自重トレーニング | 腕立て伏せ、腹筋などの筋力トレーニング。道具等が必要ないため手軽に行なえます。自分の体重が負荷になります。 |
マシントレーニング | 各種トレーニングマシンによるトレーニング。重りの動く範囲が制限されているため比較的安全に重い負荷で行なうことができます。 |
フリーウエイト | バーベルやダンベルなどを使ったベンチプレス、スクワットなどの種目があります。重い負荷で行なうことができますが、安全に行なうために最初は軽い負荷から始めていきます。 |
減量は、健康の保持増進、生活習慣病の予防のために適正な体重・体脂肪率にすることで終了するわけではありません。大切なことは、減量の効果を継続することです。
筑波大学 田中由夫准教授の研究グループは、減量後のリバウンドについて調査を行い、肥満の人に半年間、専門家が集団指導した減量の効果は、2年間で失われるとの調査結果を発表しました。同大は減量効果を維持するには、定期的に専門的指導が必要であるとしています。
たしかに減量の効果継続のため、専門的な指導を受け続けることは確かに有効ですが、日頃から生還習慣に気をつけることで、減量の効果を維持していくことも充分にできます。
■できるだけ歩く
日常生活で、多く歩くことを心がけましょう。歩くことは最も簡単な身体活動です。
外出の際に車を使わず目的地まで歩くことや建物内でもエレベーターなどを使わず階段を利用するなど、移動はできるだけ歩くようにして消費カロリーを増やしていきましょう。
■食べ物のカロリーを確認する
料理や食品のカロリーを確認してから食べるようにしましょう。包装紙やメニューにある表示や携帯電話のアプリなどで確認してから食べることで、カロリーの取りすぎを防ぐことができます。
■空腹な状態をつくらない
お腹が空いていると、ついつい食べ過ぎてしまいます。例えば食事を抜くと食事を取る間隔が長くなり、強い空腹感で食事をすることになり、適量をこえた量を食べてしまいます。
また1回の食事に必要な主食(炭水化物)を取らないと空腹感から、間食でお菓子などを食べてしまい、脂肪が増える原因になります。食事は朝・昼・晩の三食で、それぞれ必要な量を取るように心がけて、空腹な状態をつくらないようにしましょう。
■スポーツ・運動の場所を持つ
いつでも気軽にスポーツや運動を行なえる場所を持つことが大切です。地域の公共スポーツ施設、民間のフィットネスクラブ、ゴルフの練習場、お気に入りのランニングコースなど週1~2回は自分の好きなスポーツや運動ができる場所を持つことで、運動するモチベーションが継続し、運動不足になる脂肪の蓄積を防ぐことができます。
■記録をつける
体重の変化や食事の記録をつけることで、現状を確認し、変化を知ることができます。再び体重や体脂肪が増えてしまっても、それらにすばやく対応することで減量の効果を維持しましょう。体重や体脂肪が増えた場合の対処方法も記録しておけば、自分の減量マニュアルブックになります。
記録は、手帳や携帯電話のメモアプリなど、自分が記録しやすい方法でまとめておくと、振りかえるときに便利です。
※参考資料 日本経済新聞 2014/12/25
現代は、インターネット、テレビそして情報誌などにより、減量の方法について様々な情報を得ることができます。減量を行う人は、多くの情報を吟味して、安全かつ効果的で自分にあった減量を行ってほしいと思います。
安全かつ効果的な減量の方法とは、どんなことでしょうか? それは、がまんや無理をしないで、落ち着いた気持ちで長く継続することができるものです。
(1)極端な食事制限をしない
食事の量を必要以上に減らしたり、食事を抜いたりすることで一時的に体重は減少しますが、それは単にがまんをしているだけに過ぎません。がまんできなくなるとそれまでのストレスの反動で、逆に過食になってしまうことがあります。
(2)効果的な食事のとりかた(1例)
スポーツ医科学センターの減量・脂肪燃焼教室では、食事について次のようなポイントを説明して、参加者に実践していただいています。
①必ず一日3食を摂る(朝、昼、晩の食事をする)。
食事をぬくと空腹感が強くなり、間食するようになります。間食で食べるものは、お菓子など脂肪に変わりやすいものが多いため、食事をしっかりすることで間食をしないようにしましょう。
②野菜を欠かさない(毎食野菜を食べる)、野菜から食べる。
野菜には食物繊維が多く含まれているために血糖値が急激に上がることがありません。 血糖値が高くなると、それを下げようとして、肝臓からインスリンというホルモンが分泌され、血糖を肝臓に取り込み中性脂肪に変えていくという仕組みが働きます。
血糖値があまり上がらなければ、血糖を肝臓に取り込むインスリンはあまり分泌されず、脂肪に変わる事も少なくなります。そのため、食事の前半に野菜を取ることで、その後に炭水化物を摂っても中性脂肪が増えにくくなります。
③粉からつくられる食品(麺類、パスタ、パン、シリアルなど)は1日1回までにする。
粉からつくられた食品は、消化がよく血糖値が急激に上昇するとすぐに下降してしまいます。そのため空腹感が起こるのが早くなり、①で説明したように間食の原因になります。
また②で説明したように、肝臓が増えた血糖を取り込んで中性脂肪に変えてしまいます。脂肪を増やさないために、粉から作られる食品は1日1回までとして、必ず野菜と一緒に食べるようにしましょう。
(3)食後は、無理なく動いてエネルギーを使う
(2)でも述べたように、食事をすると血糖値が上がります。その血糖が肝臓に取り込まれる前に運動すると、血液は筋肉に多く流れるようになり、血糖がエネルギーとして消費 することができます。
時間に余裕があるときは、食後に1時間ほど休憩をしてから、有酸素運動や筋力トレーニングを行なうことで、血糖をエネルギーとして消費して中性脂肪が増えることを抑えましょう。
また、仕事などで時間がないときでも、食後に少し休んで散歩など軽い運動をすることを心がけましょう。
※参考文献
毎日の食事のカロリーガイド 女子栄養大学出版
糖尿病食事療法のための食費交換表 日本糖尿病学会 編・著
厚生労働省ホームページ e-ヘルスネット 食物繊維の必要性と健康
減量を開始して、しばらくすると定期的に運動を行い、適量の食事を続けていても、減量の効果が現れない期間があります。このように体重・体脂肪の減少が停滞する期間(以下
停滞期という)は、減量を行うほとんどの人が経験するものです。
(1)停滞期の原因
停滞期の原因については、いろいろな説がありますが、一般的には恒常性(ホメオスタシス)とよばれる身体の危機管理システムの作用と考えられています。
恒常性(ホメオスタシス)は、気温や湿度など外部環境の変化や体位、運動などの身体的変化に応じて働き、体温や血糖値などの内部環境を生存に適した一定範囲内に保持しようとするものです。
例えば非常時で食事がほとんど摂れない生活が続いた場合でも、ある程度の体重減少が起きた時点で恒常性(ホメオスタシス)が働くことにより、食事からのエネルギー吸収率が高まり、また基礎代謝量や運動時の消費エネルギーも低く抑えられ、体重減少を防ぎ生命を守ることが可能になります。
停滞期は、減量による体重の減少を、本当に食べることができない飢餓状態だと身体が錯覚しています。そのため身体の機能を維持するために使うエネルギーを減らして、体重が減らないようにコントロールするのです。
停滞期は、減量した体重で身体のバランスが保たれ、生命の危機ではないと身体が判断するまで続きます。
下のグラフは、スポーツ医科学センターの減量・脂肪燃焼教室(6ヶ月コース)参加者の体重推移です。この参加者は、約6ヶ月間に11.7kgの減量に成功しましたが、減量をはじめて4ヵ月後に停滞期をむかえています。
このグラフからもわかるように、停滞期が訪れても減量で必要となる、適切な運動と食事を継続していけば、停滞期後に体重・体脂肪は再び減少していきます。
停滞期に入り体重・体脂肪の減少がみられなくなった場合は、あまり悩まず、次の(2)(3)を実践してみましょう。
(2)減量の目的を再確認する
下のグラフは、平成26年度に横浜市スポーツ医科学センターの減量・脂肪燃焼教室参加者を対象に減量を決意した理由を調査した結果です。
減量を始める理由は、個人によっていろいろですが、いずれの場合も減量は始めたときは、目的に向かっていく「やる気」が満ちています。
しかし減量を継続していくと、毎日の運動や食事の管理に追われて、減量の「やる気」が下がってしまうことがあります。そのようなときに停滞期が重なると、減量の結果がでない失望感から「やる気」がさらに低下して減量を続けられなくなってしまいます。
停滞期には、減量を始めたときの目的を再確認することで、減量の「やる気」を保ち、今まで行ってきた、運動や食事のコントロールをしっかり続けていきましょう。
(3)運動量と食事量をチェックする
減量中の停滞期は、定期的に運動を行い、適量の食事を続けていても、減量を行うほとんどの人が経験します。
しかし、停滞期だと思っている人の中には、体重・体脂肪の減少が停滞している明らかな原因があるのに、そのことに気づいていない場合もあります。
その場合は、今まで取組んできた減量の記録をチェックして、体重・体脂肪の減少が停滞している原因を見つけて改善していくことが必要です。
減量で体重・体脂肪の減少が停滞する主な原因には以下の2つがあります。
ア. 運動量が不足している
減量を開始してから定期的に運動を行うことで、体重・体脂肪が減少するだけでなく、体力が向上してきます。
そのため同じ内容で運動を続けていると効果は頭打ちになってしまうので、強度や頻度を段階的に増加させていかなければなりません。減量のための運動が楽になったと感じたら、運動の強度や頻度を上げるようにしましょう。
イ. カロリーを摂りすぎている
減量を開始した直後は、食事についてもしっかりと管理していますが、減量の効果がではじめると、ついつい気が緩んで無意識のうちに食べ過ぎていることがあります。
停滞期には、食事の内容だけではなく、食事の量(カロリー)についても細かく確認して、食べ過ぎを防いでください。
※参考文献
厚生労働省ホームページ
TANITAホームページ
(社)日本体育学会監修 スポーツ科学事典 平凡社
苦労して減量に成功しても、減量を終えたあとに、短期間で体重や体脂肪がもとに戻ってしまう。あるいは、減量前より増えてしまう人も少なくありません。このような状態を一般的にリバウンドとよんでいます。
このリバウンドは、減量を行った人の多くが経験しています。なかには、減量とリバウンドを何回もくり返してしまう人もいます。
下のグラフは、平成26年度に横浜市スポーツ医科学センターの減量・脂肪燃焼教室参加者を対象に、減量に挑戦した回数を調査した結果です。教室参加者の約8割の人が減量を繰り返し行っていることがわかります。減量を開始して、しばらくすると定期的に運動を行い、適量の食事を続けていても、減量の効果が現れない期間があります。このように体重・体脂肪の減少が停滞する期間(以下
停滞期という)は、減量を行うほとんどの人が経験するものです。
減量を繰り返しおこなう理由として最も多いのが、リバウンドなどにより体重・体脂肪が減量前に戻ってしまったことです。
減量とリバウンドを短い期間でくり返す人は、主に食事制限によって体重・体脂肪を減らそうとする人が多く、その結果筋肉量が減少して基礎代謝が低下します。このため内臓脂肪が蓄積しやすくなり、減量の効果が出ないばかりか、同じ方法で減量のするたびに効果が現れにくくなります。
リバウンドの主な原因は、減量中の食事制限により好きなものを我慢していたことで蓄積されたストレスです。
このストレスを解消するために、減量後ついつい食べ過ぎてしまうことが、リバウンドが起こるきっかけになります。また、知らず知らずのうちに食事の内容が、減量前に近づいてしまう恐れもあります。
さらに減量直後は、身体が太りやすい状態にあるので、適量であると思う食事の量でも体重や体脂肪が増加してしまいます。
それは、前回このホームページで紹介しました、恒常性(ホメオスタシス)がリバウンドを進める原因になるからです。恒常性(ホメオスタシス)は、減量などで食事の量が減ると、身体が自動的に基礎代謝量や運動時のエネルギー消費を減少させて身体機能を維持するシステムです。
減量後しばらくの間は、恒常性(ホメオスタシス)が、エネルギー消費を減少させているため、減量終了後、すぐに食事の量を増やしてしまうと、エネルギーとして消費されない栄養が脂肪として体内に蓄えられてしまいます。
また、満腹感をおこす「レプチン」というたんぱく質もリバウンドに関係しています。レプチンは、人間の脂肪細胞から分泌され、脳の視床下部にある満腹中枢を刺激することによって満腹感が起こります。
減量中に食事量を減らすと、レプチンの分泌量も減り、満腹感を得られなくなることが、減量中の食事制限で苦しむ原因になっています。
さらにレプチンは、一度分泌量が減ってしまうと、その後に食事量が増えても正常の分泌量に戻るまでに約1ヶ月かかります。そのためレプチンの分泌量が減っている減量直後は、満腹感を得るために、食事の量が増えてしまうのです。
(1) 体重・体脂肪を毎日測る
減量中は、毎日測っていた体重を減量が終わると計らなくなってしまう人が多いようです。自分の目では、体重が増えていることがわからないため、リバウンドに気づいたときには、かなり体重・体脂肪率が増加してしまうことがあります。
減量を終了しても、毎朝、同じ条件で体重を測ることで、身体の変化にいち早く気づいて、リバウンドを防ぐことできます。減量を終えるときに、絶対に戻ってはならない体重や体脂肪をあらかじめ設定しておくと良いでしょう。
(2) 毎日適量の食事を3食とる
食事を1日3食にすることで、食後の急激な血糖値上昇を抑え、肝臓から分泌されるインスリンが、その血糖を脂肪細胞に取り込んで脂肪を増やすことを防ぐことができるようになります。
しかし、減量後に忙しい日常生活に戻り、不規則な食生活になったり、1日2食の食事パターンになってしまったりすると、下の図のように食後の血糖値が急激に上昇して、インスリンが血糖を脂肪細胞に取り込み、脂肪が増加してしまいます。
食事は体重・体脂肪率をコントロールする上で、基礎となるものです。適量の食事を1日3食とることを続けていきましょう。
血糖値の急激な上昇を押させるためには、野菜を食べることも有効です。野菜に含まれている食物繊維によって、血糖値が急激に上がることを抑えてくれます。
前の文章で説明しましたが、血糖値が急激に上がらなければ、血糖を肝臓に取り込むインスリンが分泌されず、脂肪に変わる事も少なくなります。そのため、食事の最初に野菜を取ることが有効です。
(3) スポーツや運動をレベルアップしながら楽しむ
減量中に筋力トレーニングやウォーキングなどの運動習慣が身についた人は、その内容をあまりかえることがありません。
運動は、身体の脂肪をエネルギーに変えることだけではなく、その効果として体力が向上します。体力が向上すると同じ内容の運動では、運動の負荷が軽くなり、消費エネルギーは少なくなります。
またウォーキングなどの有酸素運動は、運動に慣れてくるにしたがって、運動に身体が適応していき、同じ内容でも消費カロリーが下がってくるという考え方もあります。
減量中から継続している運動が楽になったと感じたら、運動も少しずつ強度を増やしていくことが大切です。
筋力トレーニングには、トレーニングマシンなどの器具を使うものと、腕立て伏せや腹筋運動など自分の体重を使って行うものがありますが、どちらの場合でもトレーニング動作を10回繰り返すことが楽になったと感じたら、器具を使うトレーニングでは負荷(重さ)を、自分の体重を使うトレーニングでは、回数を少しずつ増やしていきましょう。
有酸素運動では、以前に紹介した自覚的運動強度(RPE)を利用すると、無理なく運動の強度を上げることができます。有酸素運動を行っているときに、下の表にある自覚レベルの11「楽に感じる」であると感じたら、強度(スピード、実施時間など)を少し上げて、12「やや楽」~13「ややきつい」のレベルになるようにしてください。
参考文献(15~17)
健康運動指導士 養成講習会テキストⅡ
(社)日本体育学会監修 スポーツ科学事典 平凡社
アレックス・ハッチンソン著 『良いトレーニング、無駄なトレーニング』草思社
広澤銀一著 アンチリバンウンド79 の知恵